欧米株高でユーロ上昇
15日のニューヨーク外国為替市場で円相場は小幅続伸し,
前日比10銭円高・ドル安の1ドル=91円40~50銭で取引を終えた。
欧米の株式相場上昇を背景に投資家が運用リスクの回避姿勢を弱め、
金利水準の低い円はユーロなどに対しては軟調だった。
ただ円と同様に金利の低いドルも売られたため、円の対ドル相場は小動きだった。
午前発表の6月のニューヨーク連銀景気指数は市場予想ほど上昇せず、
全米住宅建設業協会の同月の住宅市場指数は前月から低下し市場予想を下回った。
ただ外為市場では米経済指標に着目した取引は限定的。日本発の新規材料も乏しかった。
円は東京・欧州市場の流れを引き継いで小高く始まった後はやや伸び悩んで終えた。
円は対ユーロで4日続落し、前日比90銭円安・ユーロ高の1ユーロ=112円75~85銭で取引を終えた。
14日のギリシャ格下げを受け東京市場で110円87銭まで円高・ユーロ安が進んだが、
欧州・ニューヨーク市場では一転して円売りが優勢。一時は113円07銭と4日以来の円安値を付けた。
スペインやアイルランドなどの国債入札が一定の需要を集めたことで欧州の一部諸国の資金繰り懸念が和らぎ、
欧州株式相場が上げに転じた。欧州の主な株価指数が約1カ月ぶりの高値圏で引けたほか、
米国株も大幅高となったため、退避資金の受け皿となっていた円に売りが出た。
ユーロはここ2カ月近く、下げがきつかったため、投機筋などの売り持ち高がなお高水準といい、
利益確定目的の円売り・ユーロ買いも続いた。
欧州経済研究センター(ZEW)が早朝発表した6月のドイツの景気予測指数が市場予想を超えて大幅低下したが、
これを嫌気したユーロ売りは限定的だった。
ユーロは対ドルで大幅続伸。前日終値の1ユーロ=1.22ドル台前半から1.23ドル台前半へ水準を切り上げた。
スペインなどが国債入札を比較的無難に通過したことや、欧米の株高を手掛かりとしたユーロの買い戻しが続いた。
欧米の経済指標への反応は目立たなかった。
ユーロは一時1.2350ドルと1日以来2週間ぶりの高値を付けた。ニューヨーク市場のユーロ安値は1.2244ドル。
(日経新聞マネー 6/16 6:41)