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米国株、ダウ続伸し38ドル高 ナスダック24ポイント高 半導体や医薬品高い



11日の米株式相場は続伸した。

ダウ工業株30種平均の終値は前日比38ドル54セント(0.4%)高の1万0211ドル07 セント、

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は同24.89ポイント(1.1%)高の2243.60だった。

世界景気の先行きへの過度な警戒感が 後退した前日の流れを引き継ぎ、

午後にかけ買いが優勢になった。半導体株や医薬品株の上昇が目立った。

 

ダウ平均は週間で2.8%高と、4週ぶりに上昇して終えた。

 

朝方はホーム・デポなどの小売株や、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)など日用品株に売りが先行した。

5月の米小売売上高が市場予想に反して減少 し、

米国内総生産(GDP)の7割を占める個人消費が伸び悩むとの見方を誘った。

前日に相場が急伸していたため、当面の利益を確定したい投資家からも小口 の売りが出た。

 

一方で下値も堅かった。6月の消費者態度指数(速報値、ミシガン大学調べ)が予想以上に伸び、

消費者心理悪化への懸念が薄らいだほか、欧州の財政不安に関連した悪材料が特に出なかったためだ。

 

前日に米国半導体工業会(SIA)が世界の半導体売上高見通しを引き上げたのを好感して

インテルやマイクロソフトなど大型ハイテク株が買われた。

医薬品株 はアナリストが業界の投資判断を引き上げたほか、

ファイザーとブリストル・マイヤーズスクイブが取り組む脳卒中の危険を減らす新薬の共同実験で

良好な結果 が出たと伝わった。

ファイザーは3.7%高とダウ平均構成銘柄で上昇率首位になった。


化学のデュポンや非鉄のアルコアなど、世界の景気動向に敏感な素材株が引けにかけ買われたこともあり、

日中は安く推移する場面が目立ったダウ平均は取引終了間際に上げに転じた。

 

業種別S&P500種株価指数(全10業種)は「素材」「IT(情報技術)」など8業種が上げた。

ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約10億4000万株(速報値)、

ナスダック市場は約17億8000万株(同)。

 

前日夕に発表した四半期決算の内容や見通しが良好だった

アナログ半導体のナショナル・セミコンダクターが5%高。

多機能携帯電話に絡んだ特許紛争でカナダ 企業と和解した通信機器のモトローラも高い。

前日夕、引当金計上に伴い2~4月期決算の利益水準を減額訂正したパソコン大手のデルも小幅上昇した。

メキシ コ湾の原油流出事故に関連して英政府が支援する方向の英石油大手BPが買われた。

 

半面、小売り関連はウォルマート・ストアーズやJCペニーなど全般に軟調。

通信のAT&Tは個人情報の流出問題が嫌気され小幅安だった。

                                    (日経新聞マネー 6/12 6:41)