株高受け対高金利通貨で売り



10日のニューヨーク外国為替市場で円相場は小反落した。

前日比10銭円安・ドル高の1ドル=91円30~40銭で取引を終えた。

世界的な株式相場の上昇を受けて投資家が運用リスクを取りやすくなるとの見方から、

低金利の円は比較的金利の高い通貨に対して売られ、対ドルでも安くなった。

 

中国の5月の輸出入が前年同月比でともに大幅に増え、世界的な景気減速懸念が後退し、

アジアや欧米の株式相場が上昇した。

株高を背景とした対高金利通貨での円の下落が、円売り・ドル買いにつながった。

 

ただ、日本や米国発の取引材料が乏しかったうえ、91円台半ばで円の下値の堅さが意識されたといい、

円を売り急ぐ動きは限られた。円の安値は91円48銭、高値は90円96銭。

 

円は対ユーロで大幅に反落し、前日比1円40銭円安・ユーロ高の1ユーロ=110円70~80銭で取引を終えた。

世界的な株高を受けて低金利の円が売られた。

 

欧州中央銀行(ECB)はこの日の理事会で政策金利を据え置き、

金融機関向けの固定金利での資金供給制度や国債購入を続けることを決めた。

ドイツの裁判所がユーロ圏の緊急融資制度に参加しないように求める独議員の仮差し止め請求を

却下したと伝わった。

欧州の財政問題や金融市場の混乱を巡る懸念がやや和らい だことも円売り・ユーロ買いを誘った。

 

ユーロはドルに対して大幅上昇した。前日終値の1ユーロ=1.19ドル台後半から1.21ドル台前半に上げた。

世界的な株高やユーロ圏の財政懸念の後退などから、ユーロ買い・ドル売りが優勢となった。

ユーロの高値は1.2143ドル、安値は1.2026ドルだった。

 

英ポンドは対ドルで上昇し、前日夕の1ポンド=1.45ドル台前半から1.47ドルちょうど前後に上げた。

世界株高を受けて相対的に金利の高いポンド買い が優勢となった。

イングランド銀行(英中央銀行)は金融政策委員会(MPC)で金利据え置きを決めた。

市場予想通りだったため相場の反応は限られた。

                                        (日経新聞マネー 6/11 6:41)