ダウ上昇で売り優勢


8日のニューヨーク外国為替市場で、円相場は3営業日ぶりに小反落し、

前日比10銭円安・ドル高の1ドル=91円40~50銭で 終えた。

米株式市場でダウ工業株30種平均が取引終了にかけて上げ幅を広げたため、

投資家の運用リスクを回避する姿勢が緩むとの見方が広がった。

低金利の 円は金利水準が相対的に高い主要通貨に対し売られ、対ドルでも小幅に下落して終えた。

 

ニューヨーク市場では注目度の高い経済指標の発表がなく、

円相場は株式相場の動向に左右されやすい展開だった。

財政懸念を受けて欧州の株式相場が総じて軟調だったうえ、ダウ平均が一時下げに転じたこともあり、

円はニューヨーク市場の午前中に90円84銭まで上昇する場面があった。

一方、同市場の円の安値は91円69銭だった。

 

円は対ユーロでは4営業日ぶりに反落し、前日比55銭円安・ユーロ高の1ユーロ=109円45~55銭で終えた。

米株相場が売り優勢だった午前中に円は108円35銭まで上昇したが、

取引終了にかけてダウ平均が上げ幅を広げると円売りが優勢になった。

 

ユーロは対ドルで4営業日ぶりに反発した。

前日夕の1ユーロ=1.19ドル台前半から同後半に水準を切り上げた。

ロンドン市場で一時1.1901ドルと1.19ドル割れ目前まで下落した後、

買い戻しや自律反発狙いの買いが入って上昇に転じた。

 

スイスフランが対ユーロで上昇し、

前日夕の1ユーロ=1.38スイスフラン台後半から1.38スイスフランちょうど近辺に上昇した。

欧州の財政不安を背景 に、安全資産と位置付けられるスイスフランに買いが集まった。

一時1.3744スイスフラン前後まで上昇し、最高値を更新した。

 

英ポンドが対ドルで下落し、前日夕の1ポンド=1.44ドル台後半から同前半に水準を切り下げた。

格付け会社フィッチ・レーティングスが「英国が直面する財政上の課題は恐ろしい」とするリポートを発表。

同国の厳しい財政状況が改めて意識され、ポンド売りが出た。

                                    (日経新聞マネー 6/9 7:08)