欧州問題を注視、注目の米雇用統計では50万人増が予想

5月29日(土)8時46分配信 フィスコ



31日(月曜日)は米メモリアルデーの祝日のため、株式相場は休場となる。
引き続き欧州信用不安の行方、メキシコ湾の原油流出事故、朝鮮情勢の緊迫化や
新金融規制法案の上下院での折衝などが注目される。
また月初となることから、5月ISM製造業景気指数(1日)非製造業景気指数(3日)、5月自動車販売 (2日)、
5月ADP雇用報告(3日)や5月雇用統計(4日)など、多数の経済指標の発表が控えている。
注目の雇用統計では、失業率が9.8%と前月から低下し、非農業部門雇用者数で50万人増が予想されている。

原油流出事故ではオバマ大統領が現場を視察し、深海油田開発を6ヶ月間禁止するなど対応に追われている。
BPが「トップ・キル」と呼ばれる噴出口を覆う大規模な対策を行っており、
一時的に原油噴出を食い止めることに成功した模様だが、
セメントを注入するなどして完全に抑止することができるかどうか予断を許さ ない状況だ。
1989年のエクソン事故の規模を上回ることが確実視されており、
処理費や損害賠償額も過去最大となる見込みだが、
BPの潤沢なキャッシュフ ローやバランスシートを考えると、対応可能な金額にとどまる公算。

欧州信用不安問題では、5/28にフィッチがスペインのトリプルA格付を一段階引き下げた。
スペインの経済規模はギリシャの約5倍(GDP比)であり、他の欧州諸国やユーロ通貨への影響は無視できない。
一段と信用不安が高まる可能性もあり、十分な注意が必要だろう。

一方でヘッジファンド運用者によるチャリティーイベントでは、格付機関の影響力の大きさへの懸念が示された。
スペインがトリプルAを維持できないことは既に大方の見方となっていたものの、
実際に格下げされたことによる金融市場へのショックは無視できない。
先日、欧州中銀(ECB)がギリシャの国債に限って格付に関わらず担保として受け入れることを明らかにしたが、
これも担保の適格性の判断に格付を用いていたことが問題であった。
適格担保やリスク資産、投資適 格などの判断の基準として格付は幅広く利用されており、
投資家は格付が常に的確な信用力を表していないと思っていても、
制度上、格付に基づいた行動を取ら ざるを得ないことも多い。
上院で可決された新金融規制法案では、格付制度の改革が盛込まれている。
まだまだ不十分との見方も多く、下院案とのすり合わせ作 業の中で、より抜本的な改革が期待されている。

6/4-5には韓国の釜山でG20財務相・中央銀行総裁会議が、
5日には日米間防衛相会談がシンガポールで予定されており、
北朝鮮と韓国間における地政学リスクの高まりにも十分な注意が必要だろう。