米株高で売られやすく
27日のニューヨーク外国為替市場で円相場は3営業日ぶりに大幅反落し、
前日比1円15銭円安・ドル高の1ドル=91円 00~10銭で取引を終えた。
米株式相場が大幅高となったため、投資家が運用リスクを取りやすくなるとの見方が広がって
低金利の円は主要通貨に対し売られ やすかった。
株高で米長期金利が上昇し、金利面での投資妙味が戻ってきたとの受け止めから
ドルを買って円を売る動きが出た面もあった。円は一時91円09 銭と、1週間ぶりの安値を付けた。
前日は「中国がユーロ圏の債券の保有政策を見直している」との英紙報道を受けて、
ユーロの信認が低下し 世界経済の不透明感が増すとの見方が広がった。
米株式市場ではダウ工業株30種平均が終値で1万ドルの大台を割り込んだが、
中国当局が報道を否定したため 27日の米株相場は急反発。円は金利の高い通貨に対して
とりわけ軟調で、対オーストラリア(豪)ドルでは前日夕の1豪ドル=73円台後半から77円台半ばに下落した。
この日のニューヨーク市場の円の高値は90円26銭だった。
1~3月期の米実質成長率改定値は速報値から下方修正されたが、
経済指標の注目度はあまり高くなかったといい、反応は限られた。
円は対ユーロで4営業日ぶりに大幅反落し、
前日比3円10銭円安・ユーロ高の1ユーロ=112円55~65銭で取引を終えた。
ユーロ圏の債券保有を見直す という報道を中国当局者が否定したほか、
ユーロ圏への投資を減らすと報じられたクウェート投資庁も報道を否定したと伝わった。
大口投資家の「ユーロ離れ」 への懸念がひとまず後退し、ユーロ買いが入った。
米株高で投資家のリスク回避姿勢が緩むとの見方も円売り・ユーロ買いにつながった。
ユー ロは対ドルで4営業日ぶりに大幅反発した。
前日夕の1ユーロ=1.21ドル台後半から1.23ドル台後半に水準を切り上げた。
大口投資家の「ユーロ離れ」 への懸念の後退が、対円同様に対ドルでもユーロ買いを後押しした。
この日のニューヨーク市場のユーロの高値は1.2395ドル、安値は1.2204ドル。
(日経新聞マネー 5/28 6:41)