リスク回避和らぐ



21日のニューヨーク外国為替市場で、円相場は4日ぶりに反落した。

前日比35銭円安・ドル高の1ドル=89円95銭~90円 05銭で取引を終えた。

米株式相場の反発などを背景に、投資家の運用リスク回避の姿勢が和らぐ

との見方から円売り・ドル買いが優勢となった。

 

足元で世界的な景気減速への懸念や株安を受けて、投資家が運用リスクを取りにくくなるとの見方から、

低金利の円はオーストラリアドルなどの高金利通貨や米 ドルに対して買われていた。

21日は売りが先行した米株式相場が上昇して終え、米長期金利が上昇。

高金利通貨に対して持ち高調整の円売りが出た。対米ドル では日米の金利差拡大の思惑から円は売られた。

 

ただ、欧州の財政問題や世界的な株式相場の動向を見極めたいとして、

市場では様子見ムードが強く商いが薄かったという。円の安値は90円42銭、高値は89円22銭だった。

 

円は対ユーロで反落した。前日比1円05銭円安・ユーロ高の1ユーロ=113円00~10銭で取引を終えた。

リスク回避目的の円買いが膨らんだ後の週末と あって、持ち高調整の円売りが優勢となった。

ドイツ議会が資金繰り難に陥った欧州諸国を支援するための融資制度についての法案を可決した。

可決は予想通りだが、欧州の財政問題に対する過度の懸念を和らげユーロの支援材料になった

との声があった。

 

ユーロはドルに対して大幅に3日続伸した。

前 日終値の1ユーロ=1.24ドル台後半から1.25ドル台後半に上昇した。

欧州の財政問題などへの懸念を背景に下落基調にあったユーロが前日に続伸した。

ユーロが今後も急速に下落することへの懸念が薄れ、ユーロの売り持ちをひとまず減らす動きが出たという。

ユーロの高値は1.2599ドル、安値は 1.2495ドル。

                                                (日経新聞マネー 5/22 7:05)