ギリシャ不安でユーロが下落


6日のニューヨーク外国為替市場で円相場は続伸し、

前日比55銭円高・ドル安の1ドル=93円75~85銭で取引を終えた。

前日 まで急速に円安・ドル高が進んだ反動による円の買い戻しが引き続き優勢だった。

米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を受け、

米連邦準備理事会 (FRB)が金融引き締めに慎重との受け止め方が広がったことも円相場を押し上げた。

 

前日の東京市場で2009年8月以来の円安・ドル高水準を付けたことで、

投機筋が目先の利益を確定する目的の円買い戻しを続けた。

 

FRBが発表した3月16日開催分のFOMC議事要旨では、

金融引き締めに関し一部の委員が「現状では早く始めるリスクの方が遅く始めるリスクより大きい」

と指摘していたことがわかった。

RBが金融引き締めを急いでいないとの見方から、円買い・ドル売りを誘ったという。

円は一時93円66銭まで買われ た。

 

ニューヨーク市場の円の安値は朝方に付けた94円09銭だった。

 

円は対ユーロで大幅に続伸し、前日比1円65銭円高・ユーロ安の1ユーロ=125円60~70銭で終えた。

3月下旬に欧州連合(EU)が合意したギリシャ支援策について、

同国政府が国際通貨基金 (IMF)による支援を回避する目的で内容修正を求めているとの報道が出た。

厳しい財政再建要求を突きつけるとみられるIMFが支援団から外れれば

同国の再建が遅れるとの見方を誘った。

その後、報道を否定するギリシャ当局者のコメントが伝わったものの、円買い・ユーロ売りが膨らんだ。

 

ユーロは対ドルで3日続落し、

前日の1ユーロ=1.34ドル台後半から1.34ドルちょうど近辺に水準を切り下げた。

ギリシャの財政不安再燃を受けたユーロ売 り・ドル買いが優勢だった。

欧州がイースター(復活祭)休暇明けとなり、

米経済指標の改善を背景にしたユーロ売り・ドル買いが改めて出たとの指摘もあった。

ユーロは1.3355ドルと3月26日以来の水準まで売られる場面があった。

高値は朝方に付けた1.3410ドルだった。

 

カナダドルは対米ドルで上昇。前日の1米ドル=1.00カナダドル台前半で水準をやや切り上げた。
一時は0.9988カナダドル前後までカナダドル高・ 米ドル安が進んだ。
資源価格の高騰がカナダの景気回復につながるとの見方から、
2008年7月以来1年9カ月ぶりに1米ドル=1カナダドルの等価(パリ ティー)を突破した。

                                       (日経新聞マネー 4/7 6:54)