円上伸、一時2週間ぶり89円台〔NY外為〕(22日)

6時24分配信 時事通信

 【ニューヨーク時事】週明け22日のニューヨーク外国為替市場では、
ギリシャの財政再建問題をめぐる不透明感がくすぶり、リスク回避の低金利通貨買いが活発化した。
円は一時1ドル=89円83銭と、当市場としては今月9日以来約2週間ぶりの高値に急伸。
ただ、米株高に押されてあと上値を削り、午後5時現在は、1ドル=90円08~18銭と、
前週末同時刻(90円48~58銭)比40銭の円高・ドル安で取引された。
 
東京市場の休場で動意に乏しく、90円台半ばでのもみ合いに終始した
海外市場の流れを引き継いで取引を開始。
財政難に陥っているギリシャへの支援をめぐり、ユーロ圏諸国の足並みが揃わないことから、
欧州株価が一時大きく売り込まれ、これをきっかけに円は午前の早い段階でこの日の高値を付けた。
25~26 日の欧州連合(EU)首脳会議を前に、国際通貨基金(IMF)による介入観測も浮上する中、
「アジア通貨危機を連想し、漠然とした不安感が市場を覆っ た」(邦銀筋)という。
 
ただ、その後は、米国の株式市場が堅調に寄り付いたのを眺めて円買いは細り、
取引半ば以降は90円台前半での小動きにと どまった。
週内は、翌23日に2月の中古、24日に新築と住宅販売件数の発表が相次ぐほか、
25日にはバーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会 証言が予定されているものの、
「ギリシャに対する具体的な支援策を確認するまでは、円が上振れしやすい」(同)との声が聞かれた。
 
ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.3553~3563ドル(前週末午後5時は1.3525~3535ドル)、
対円では同122円17~27銭(同122円46~56銭)。