NY円、急落 1ドル=90円50~60銭、米雇用減の縮小を受けドル買い


4日のニューヨーク外国為替市場で円相場は急落。

前日の終値と比べ2円30銭円安・ドル高の1ドル=90円50~60銭 で取引を終えた。

11月の米雇用統計で、雇用者数の前月比の減少幅が1万1000人と大幅に縮小。

米雇用情勢の改善期待で、円売り・ドル買いが膨らんだ。

米国債利回りが大幅に上昇したことから、日米の金利差を意識した円売り・ドル買いも出た。

円は一時90円78銭と11月6日以来の円安・ドル高水準を付け た。

 

円の対ドル相場は10月下旬以来の4日続落。

米雇用者数の減少幅が市場予想(12万5000人減)を大幅に下回り、

失業率も10%ちょうどと前の月から 0.2ポイント低下した。

米雇用情勢の改善を受けて、米連邦準備理事会(FRB)による超低金利政策が予想ほど長期化しない

との見方もドルの買い戻しを 誘った。

商品先物市場ではドルの代替投資先として買われていた金相場が急落。

ドル売り・金先物買いの持ち高を手じまう動きが出たとの指摘もあった。

 

円が心理的な節目である90円台に乗せたことから、

オプション取引に絡んだ損失限定目的の円売り・ドル買いも巻き込んで下げ幅を拡大した。

米株式市場で 大幅高で始まったダウ工業株30種平均が下げる場面があったものの、

円を買う動きは目立たなかった。ニューヨーク市場の円の高値は朝方に付けた88円30 銭。

 

円は対ユーロでも大幅に4日続落。前日比1円65銭円安

ユーロ高の1ユーロ=134円45~55銭で取引を終えた。

対ドルで円が売られたことにつれ て、対ユーロでも円を売る動きが優勢になった。

欧州中央銀行(ECB)が流動性供給策の縮小を決めた一方、

日銀が追加の資金供給策を発表するなど

日本が金 融緩和策を正常化するには時間がかかるとの見方も円売り・ユーロ買いを誘った。

 

ユーロは対ドルで大幅に反落。前日の終値である1ユーロ=1.50ドル台半ばから

1.48ドル台半ばに下げて終えた。

米雇用統計の改善を受けて、米国の 超低金利政策の長期化観測が後退。

相対的に金利が高いことから買われていたユーロを売って、ドルを買い戻す動きが広がった。

ニューヨーク市場のユーロの安 値は1.4821ドル、高値は朝方に付けた1.5080ドルだった。

(NIKKEI NET 07:45)