今週の見通し・株式 1万円を挟みもみ合い



今週(13~16日)の株式相場は上値が重い展開か。

円高の一服などで日経平均株価は前週末、心理的な節目の1万円を回復したが、

1万円を上回ると戻り 待ちの売りが増えるとの見方もある。

今月下旬に4~9月期決算発表の本格化を控え、様子見ムードが強まる可能性もあり、

1万円を挟んでもみ合う展開となり そうだ。

 

先週の日経平均は週間で284円52銭(2.92%)上昇。

米雇用統計の悪化などが嫌気され週初は値下がりしたが、

その後は上値を試す展開が続き4日続伸した。

外国為替相場がひとまず1ドル=88~89円の水準で落ち着き、

輸出関連株中心に買い戻しが広がった。

 

商品相場では金の国際価格が高値を連日で更新し、

出遅れ感のあった鉄鋼や非鉄株も見直された。

立花証券の平野憲一執行役員は「世界的にドル資産を売って

商品・株式などリスク資産を買う動きが強まっている」と説明。

欧米の主要株価指数も持ち直し「6日の安値(9628円)を目先の底値と意識する

個人投資家 が増えている」と話す。

 

国内では14日、内閣府が消費者心理を表す消費者態度指数(9月分)を発表する。

景気の先行指標とされ、8月まで8カ月連続で前の月を上回っている。

「今回も改善が続けば消費低迷懸念も和らぎそう」(UBS証券の平川昇二チーフストラテジスト)

との見方があり、小売株などの上昇を後押しする可能性があ る。

 

ただ日経平均は9月にかけて、1万0100~1万0600円の間でもみ合いが続いた。

このため、この価格帯では売り圧力が強く、

1万0200円前後を当面の上値のメドとみる市場関係者は多い。

一方、下値も9500円前後と狭い幅での値動きとなりそう。

 

決算シーズンを迎え、主要企業が2010年3月期の業績予想をどう見直してくるかも注目点。

8月以降の円高の影響もあり「上方修正がどの程度出てくるか 読みにくくなった」(国内証券)

との指摘もある。

業績の先行き不透明感から積極的な売買を控える動きが広がる可能性もある。

(NIKKEI NET 11日 18:00)