今週の見通し・株式 1万500円を挟み一進一退



今週(14~18日)の株式相場は1万500円を挟んで一進一退か。

外国為替市場で円相場が1ドル=90円台に上昇したため、さらに円高が進めば、

いったん利益を確定する売りに押されそうだ。

一方、為替相場が安定すれば、アジア株の中で出遅れている日本株への資金流入も期待できる。

円相場や海外の株価動 向に左右されやすい展開が予想される。

 

先週の日経平均は週間で257円22銭(2.52%)上昇した。週間ベースでは2週ぶりの上昇。

欧米やアジアの主要市場で年初来高値の更新が相次ぎ、東京市場でも景気回復への

期待感が広がったが、週末には円高への警戒感の方が強まった。

米シカゴ市場での日経平均先物(円建て)の清算値は1万365円。

週初の東京市場もこの水準を意識して始まりそうだ。

 

今週は民主党の鳩山由紀夫政権が発足する予定。

市場では「期待と不安が半々」(りそな銀行の戸田浩司チーフ・ファンド・マネージャー)

との受け止め方が あった。

期待は、株価の下支えが見込めそうな内需刺激策。

不安は円高傾向や、「企業の競争力をそぐ」との懸念もある温暖化ガス削減の大胆な目標設定などだ。

鳩山氏や主要閣僚の政策についての発言が株価に影響を与える可能性がある。

 

組閣以外では日銀の政策決定会合と白川方明日銀総裁の会見がある。

経済指標では7~9月の法人企業景気予測調査が発表される。

 

海外では8月の米小売売上高などが日本の輸出関連株を左右しそうだ。

リーマン・ショックから1年となり、震源となった米住宅分野では8月の米住宅着工件数の発表もある。

足元のドル安も含め「どこまで米景気が回復したのか改めて点検する週」

(カブドットコム証券の山田勉マーケットアナリスト)といえる。

 

世界の株高を背景に日経平均は8月26日に付けた年初来高値(1万0639円71銭)

が視野に入るとの見方がある一方、円高進行が嫌気されて心理的な節目である1万円に

接近するとの指摘もあり、市場の見方は分かれている。

(NIKKEI NET 13日 07:00)