東証大引け、金融不安強く持ち高調整の売り、TOPIXはバブル後安値

3日の東京株式市場で日経平均株価は続落。

大引けは前日比50円43銭(0.69%)安の7229円72銭だった。

景気低迷や欧米を中心とする金融不安へ警戒感が根強く、持ち高調整の売りに押された。

与謝野馨財務・金融・経済財政相が午前の閣議後の記者会見で、株式相場の下落について「必要以上の下げは看過することはできない」と発言したと伝わった。

株価対策発動への期待から相場の下押し懸念が和らぎ、日経平均は小幅高に転じる場面もあったが、戻り待ちの売りに押された。

下げ基調の続く米株動向を見極めたいとして、買い進む投資家は限られた。

東証株価指数(TOPIX)は続落。終値は前日比7.79ポイント(1.06%)安の726.80と今年2月24日に付けたバブル後安値(730.28)を下回り、1983年12月以来、25年3カ月ぶりの安値水準に落ち込んだ。


前場の日経平均は下げ幅が150円を超え、2008年10月27日のバブル後安値(7162円90銭)を下回る場面があった。2日の米株式相場が、保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の巨額赤字決算などを背景に金融不安が改めて意識されて約12年ぶりの安値水準となったことを嫌気し、幅広い銘柄が下げた。

しかし、相場の下げ場面では年金資金による買い観測が聞かれ、売り圧力が限られると指数は徐々に下げ渋った。


業種別TOPIXは33業種中、27が値下がり。

「鉱業」「石油石炭製品」「卸売り」「情報通信」などの下落率が大きかった。

半面、上昇した6業種では「空運」「証券商品先物」「機械」などの上げが目立った。


東証1部の売買代金は概算で1兆2121億円、売買高は19億4862万株だった。

値下がり銘柄数は全体の約66%に当たる1131、値上がりは同26%の440、変わらずは134だった。


ホンダ、トヨタ、キヤノンが下げ、三菱UFJ、三井住友FG、みずほFGの3メガバンクがともに下落した。三井物、丸紅などの商社株やNTT、KDDIなど通信株も売られた。

半面、野村が続伸し、ソニーが反発。インドでの2月の新車販売好調が伝わったスズキが上昇し、アドテストも値上がりした。


東証2部株価指数は続落。終値は前日比9.73ポイント(0.55%)安の1771.50と前月24日の安値(1779.72)を下回って昨年来安値を更新。

2003年6月以来、5年9カ月ぶりの安値水準となった。

東邦システム、アクセル、日精機が下げた。半面、ケンタッキー、中央電、ソトーなどが上昇した。

                   (NIKKEI NET マネー&マーケット 3日 15:38) 〔NQN〕