本日訪問したお客様です


ご夫妻共にいらっしゃる時にお会いしたい旨アポイントをとってありました


玄関のインターフォンをならすと、少し間があって夫人の声


「はい、今参ります」


門の所の手水鉢にスプレー菊が飾られており風情があります


5・6段の階段を上がり和風の玄関の前で待っていると


夫人が現れ


「こちらからいらしたのですね、こちらから上がって頂くとお台所ですのよ


こちらの道の角をこちらに曲がってこのブロックの反対側に玄関がありますので


そちらへ廻って頂けます?」


私が玄関だと思って訪ねたのはお勝手口でした


「あっ・・こちらはお玄関ではないんですね・・」


ぐるりと廻って表玄関へ、塀越しに広くて贅沢に造ったお庭であることがわかります。


とても立派な邸宅です。


夫人が外まで出てきてくださり車を門のところへ停めるよう指示してくださいました


応接間へ通され待っているとほどなくご主人登場


70代半ばの老紳士がおいでになりました、一通りのご挨拶を済ませたところで


「最近は皆さんコンピュターで取引しているんでしょ。うちの娘なんかも


コンピュターでやっているようですが、うちはコンピュターやってないんですよ」


その口ぶりとここ7・8年お取引はなく放っておかれたようなファンドでもあり


運用の現況は丁寧に分りやすくご報告した方が良いと判断し


いつも高齢の方の場合に説明する分りやすい世界経済の現状


日本のおかれている状況、ここ数年の金利や為替の動き等


持参した資料を広げお話しました


「よくわかりました。あなたの提案で結構ですよ」


とのことお手続きをさせて頂きました


夫人からも色々質問を受け答えたところ、夫人は今暫く様子をみるとのことでした


おいしい紅茶をいただているうちに時計は3時を指していました


すでに2時間が経過、ご主人は3時にお出掛けすると聞いていました


「ごめんなさい、主人は出掛けますので」


「はい、そう伺っております。お仕事でいらっしゃいますか?」


「ええ、主人は2校ほど学校をお預かりしておりますので」


「??先生でいらっしゃいますか?専攻は?」


「経済です」


「・・・・・・・・・経済の先生・・・・あのぉ経済・・今顔から火が噴き出しているのですが・・・


学校はどちらでいらっしゃいますか?・・・・」


「K大です」


「・・・・・・、・・・・・・・。ほんと、失礼いたしました・・・私ごときが・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


三人で小笑い・・・・。


顔から火が噴くというのをまさしく体験し、体中から変な汗が滲んでいました。


K大の経済学部教授に経済の話をしてしまいました。


先生も色々細かい質問をなさるし、立派なお宅に住む老紳士としか考えていなかったし


先生も夫人もお人が悪い、言って下さればいいのにと思いましたが


きっと先に聞いていれば提案どころではなくご挨拶だけで帰ってしまったかもしれません。


「それでは、今後とも宜しくお願いしますね」


ご夫婦揃って送ってくださいました・・


丁寧にご挨拶をし車を出しました。



会社へ向かう車の中で私は壊れてしまいました


お二人を前に自分が話した事を思い返してはもう笑うしかありませんでした


一人笑いが止まらなくなり、ただ、ただ笑い続けました


人目もはばからず大笑いでした。


ふっ~




会社に帰りネットで調べると著書やら経歴やら出てくる出てくる Wikipediaにも名前がありました


そこには 『 著名な経済学者 』 と言う文字が・・・


・・・あらためて変な汗がでてきました


皆に報告すると


「さすが○○さん、○○さんじゃなきゃできないですよ、それウケル~」


皆にも笑ってもらいました。





経済学者に経済の話をしてきました。