24日午後6時半ごろ、自ら閣僚名簿を発表した麻生新首相は、中川新財務相に金融担当相を兼務させた理由について、サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン )問題を発端に「金融問題が世界中で関心を呼ぶ中、財務と金融の兼務が機能的と判断した」と語った。
また、与謝野氏の再任理由については、中川財務・金融担当相とともに「景気回復などに当たって欲しい」と述べた。
一方、景気の現状について「明らかに今年に入って不景気になっている」とし、「補正予算をぜひ審議して欲しい」と民主党など野党に訴えた。さらに補正予算の審議を数日で済ませた上での話し合い解散の可能性が与野党内で指摘されていることに関連し、麻生新首相は「民主党が審議に応じるか否かを勘案して決める」と語った。
さらに2011年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化目標については「今すぐに修正の閣議決定をするつもりはない」としながらも「前提条件が大幅に違ってきている」とも指摘。この先の方針転換に含みを残した。基礎年金の国庫負担割合引き上げは、2009年4月から実施する方針も明らかにした。
中川新財務兼金融担当相は、閣僚名簿発表後の会見で「補正予算の早期成立の指示を受けた」と表明。さらに「内外の景気や金融情勢は予断を許さない。状況を注視して適切な対応が必要だ」と語った。2011年度のプライマリーバランス黒字化目標は「何としても実現したい」と語った。
与謝野担当相も、麻生新首相から景気対策に取り組むよう指示があったことを会見で明らかにした。また、今後の政策運営のスタンスに関連し、骨太2006について「方向性を変えることはない」と述べた。 (ロイター)