『 正調シェー 』



多くのアニメが放映されている今とは違い


私の子供の頃はテレビのチャンネルも少なく


どこの家でも子供がテレビを見て良い時間は限られていた。


好むと好まざるによらず同じ時間に同じマンガを同じ目線で見ていたわけである。


同世代の方で赤塚マンガ・藤子不二雄マンガを見ずに育った人はいないはずだ。


私が小さい頃のテレビといえば白黒テレビ


私の記憶の中のおそ松くんやひみつのアッコちゃんには色がない。


カラー放送の場合画面の下にカラー放送中のマークがあった。


我が家のカラーテレビ導入は小学4年であったと記憶している。


九州の片隅ではそれでも早い方で友達の間では


「いいなあ~」と羨ましがられた。


隔世の感がある。



十数年前、子供を連れて羽田空港で帰省の飛行機を待っていた。


待合にはお付きの人数人を従えた赤塚先生がいた。


私は一人大はしゃぎをしたのだが


まだ小さかったうちの子にわかるはずもなく


「サインがほしい・・・サインが!!」


とソワソワ、一人心が躍った。


しかし、赤塚先生にはオーラがあった。


気軽に声を掛けてはいけないオーラを放っていた。


同じ場所にいられたことだけで満足することにした。



ご冥福をお祈りいたします。