【アメブロ限定】pixiv出張版! ~幸せの掟 Ⅵ[最終回]~ | 「気ままに歌って書くブログ!」 byかわすん

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二次創作の小説やくだらないことを多く書いて行きます♪少しでも読んで頂けたら嬉しいです!

たまにくだらないことも書きますが、そんな僕にもお付き合い下さい( ^ω^ )


どうも♪かわすんです♪

先日はpixivにて、『ある日の音乃木坂学院 Ⅳ』を投稿しました!!
そのあとがき+も、後日書いていこうと思います!!


さて、今回も久々の『幸せの掟』シリーズ。
なんと今回で最終回になります!!
今までありがとうございました!!

前回のあらすじとしては、このような事態になってしまったことに後悔する真姫ちゃん。
抑えが効かず溢れてくる謝罪の言葉――ごめんなさい、穂乃果。
そこに穂乃果ちゃんが不登校になった真姫ちゃんの家へと訪れる。

といったところでしょうか。
3行であらすじが終わってしまうなんて、よほど前回(Ⅴ)が薄っぺらかったんでしょうね(他人事)。


今回は、その前回の続きを書いていきます。
最後までついて来てくださったら嬉しい限りです。


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ここで突っ返すのは誰に対しても失礼に値するため、一応彼女を家にあげることにした。
しかし、私はここ数日間は学校に顔を出していないため、穂乃果はどう思っているのかとそればかり気になっている。

幻滅されてしまっただろうか。私をμ'sの要らない枠においやる通達をしに来たのだろうか。

私の頭はマイナスな考えで埋め尽くされ、気分も悪い方へと傾いていく。
穂乃果を私の部屋に案内している、この時間のこの静寂がとてつもなく辛い。
この静寂のせいか、両者とも口を開けようとしない。いや、それは私だけなのかもしれない。

もしかすると、私に話し掛ける気なんて、最初からないのかもしれない。

私は穂乃果が口を開いて話し出してくれることに縋るしか術が残っていなかった。


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玄関が開いてから初めて気付いた。真姫ちゃんの顔が酷くやつれている。
本人は気付かないのだろうが、その酷さは一目瞭然だ。

きっと、ずっと1人で悩んでいたのだろう。

そこから来る辛さや痛みを私が代わって受けることは出来ないが、そこから解き放つことや分け合うことは出来る。
今日はそのためにここに来た。

真姫ちゃんが私に部屋を案内してくれる。
真姫ちゃんは口を開こうとしてくれない。もしかしたら、口を開けないほど辛さを感じているのかもしれない。


「...ついたわ」と部屋に通される。

やはり私が真姫ちゃんの心の鎖を解き放つトリガーにならなくてはいけない。
そう決心した後、私から真姫ちゃんに話し掛ける。

「...真姫ちゃん」

なるべく優しく名前を呼ぶ。
ただでさえ荒れている真姫ちゃんに厳しく突っかかれば、それだけでも真姫ちゃんが壊れてしまう。
そうならないために、変わらず優しく、自分の想いを真姫ちゃんに話し掛ける。

「...こうなったのって、穂乃果のせいだよね。...苦しませてごめんね」

「......」

「私、真姫ちゃんが苦しんでたの...知ってたよ。だから、それを謝りたいんだ」

「......」

「だから急に押しかけちゃった。...わざわざごめんね」

「......」

真姫ちゃんは無言を貫き通す。きっと、私と話したくなんてないのだろう。
だから、私は一種の『賭け』に出た。

「...ねぇ、真姫ちゃん」

「......」

「......これから私とお喋りするの、もうやめようか」

「...っ!?」


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あからさまな反応を示してしまった。
けれど、やはりその言葉は私にとっては衝撃的で、最早言葉を失ってしまうどころの話ではない。それを遥かに超えた衝撃――


――反応さえ、身動きを取ることさえ出来ない。


それでも穂乃果は続けて、私の心に言葉という槍の雨を降らせる。

「...穂乃果はね、真姫ちゃんが苦しんでるところを、もう見たくないんだよ。もし、真姫ちゃんが私と会って、私とお喋りして、一緒に練習して。そういうことすべてが辛いんだったら、私に会わないことが真姫ちゃんにとっての『幸せの掟』だって言うなら、



――私、μ'sをやめてもいいよ。私と、『最後の』お喋りしようよ」



「違うっ!!」

その言葉は、あまりにも冷たくて。
でも、私のことをとても大切に思ってくれていて。
嬉しいと思わなかったと言えば嘘になるが、それでも、穂乃果がμ'sから抜けるというのは、私にとって一番聞きたくなかった言葉。私においての禁忌、タブーを彼女に犯されたのだ。

だから私は、心の底から、この『西木野真姫』の全体から、彼女に想いをぶつける。

「それは私にとって幸せじゃない!!貴女が居ないμ'sなんて、私には何の輝きも色も成さないの!!」

言葉一つ一つが震えていても、今にも泣きそうでも、喉が枯れて潰れそうでも、今の私には関係のないことだ。
私の想いをボールの様に、穂乃果に向けて投げ付ける。

「貴女と距離を置いてしまった時、『やってしまった』って思った!!そんなはずじゃなかったのに!!でも私が素直じゃないから、結局貴女を傷付けてしまった!!」

「ずっと謝りたかった!!でも自分のせいで離れていった貴女に、何も声を掛けられるはずなかった!!」

ついに抑えきれず、瞳から涙が溢れて止まらない。

「辛かった!!穂乃果を傷付けてしまったことが!!穂乃果と話せなくなったことが!!」

「それに、勝手に不安になってた!!きっと、穂乃果は幻滅してしまったんじゃないかって!!穂乃果が、」


「もう私のことを見捨てたんじゃないかって!!」


言い切った後に来たのは、想いを吐き出した反動による震えと、他でもない穂乃果の温もりだった。
私の言葉はそこで終わりを告げたため、私の想いを吐き出す手段はなくなった。

心からの謝罪と感謝の意味を込めた涙と「ごめんなさい」という言葉が自分の中から溢れてくる。
穂乃果は私の頭を優しく撫でながら、諭すように言葉を紡ぎ始める。

「......その言葉が聞きたかったんだよ、真姫ちゃん。私ね、真姫ちゃんが私のことを呼んでくれることすら、ずっと待ってたんだよ。...だからね、嬉しかったよ」

「それに、素直に自分の気持ちを言ってくれたことも、嬉しかったよ。......有難う、真姫ちゃん」

「それにね、私、分かったんだ。何で真姫ちゃんが急に私を避けるようになったのかって。すっごく簡単なことだったんだ。だって――」


「私も真姫ちゃんと同じなんだもん」


私と穂乃果が同じ...?まったくどういう意味か、今の私には見当も付かない。
それを悟ったのか、穂乃果は少し照れた様子を見せた。

「もぅ、なんだか恥ずかしくなっちゃうじゃん。でも、ずっと1人で悩んでたんだもんね。...だから、今から私が言うことをちゃんと聞いていて欲しい」

すると穂乃果は少し私から離れ、私の顔を見つめる。
少し微笑んだ様な、だけど恥ずかしがってる様な、そんな表情がこちらに向いている。
数日間忘れていた高鳴りが、五月蝿いほど私の中で響く。

そして、ずっと待っていた言葉が、彼女から放たれた。


「私、高坂穂乃果は、西木野真姫さんのことが好きです。だから、私と付き合ってください。私と、『幸せの掟』を一緒に築いてください。」


私は返事の代わりに、これまでで最高の笑顔を見せた。





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ここまでとなります!今までご覧くださった皆様、本当に有難うございました!!

なんかラストが読めた感満載でしたが、やっぱりハッピーエンドに持って行きたいんですよ。
そういった話は、後日『あとがき+』にてしていきます!


でわでわぁ♪