コンピレーション・アルバムの21曲目は「ゲゲゲの鬼太郎」の歌です。

 「ゲゲゲの鬼太郎」は、水木しげるの原作をもとに東映動画が制作し、第1シリーズがフジテレビ系列で1968年から69年まで放映され、その後2020年までに6シリーズが制作されています。第1シリーズはモノクロ作品で、第2シリーズ以降はカラーとなっています。

 収録したのは、有名なテーマソングです。

 作詞は水木しげる、作曲は(8)「宇宙少年ソラン」、(12)「明治チョコレートの歌」を作曲したいずみたくです。

 このテーマ曲、第1シリーズと第2シリーズでは熊倉一雄が歌っていますが、後のシリーズでは、第3シリーズ吉幾三、第4シリーズ憂歌団、第5シリーズ泉谷しげる、第6シリーズ氷川きよしと、歌手、アレンジを変えてずっと使用され続けて、この作品のシグネチャー・ソングとなっています。

 ところが、この曲、テレビシリーズのために書き下ろされた曲ではありません。テレビ放送が始まる前年1967年に当時少年マガジンに連載されていた作品のイメージソングを集めたLP「少年マガジンマンガ大行進」がキングレコードから発売されましたが、その中でこの作品の原作「墓場の鬼太郎」のイメージソングとして発表されたのが最初でした。テレビマンガ化に際して、いくつかの主題歌候補の中から評判のよかったこの曲が選ばれました。

      

 

 番組放映当初、朝日ソノラマからソノシート、キングレコードからシングル盤が発売されました。

  キングレコードから発売されたシングル盤にはLP「少年マガジンマンガ大行進」に収録された「墓場の鬼太郎」が「ゲゲゲの鬼太郎」と改題されて収録されています。

       

 

 ところが、ソノシートに「ゲゲゲの鬼太郎」と題して収録された曲は、キングレコードからのシングル盤ではB面に収録されていた加藤みどりが歌うエンディングテーマ「カランコロンの歌」で、主題歌はLP「少年マガジンマンガ大行進」でのタイトル「墓場の鬼太郎」がそのまま使われており、混乱を招きました。

       

 

 1978年には、タイトル曲、挿入歌、物語を集めたサントラLPが発売されましたが、劇中の音楽は収録されていませんでした。

       

 

 劇音楽部分を含めたサントラアルバムは、1997年に、東芝EMIが「懐かしのミュージッククリップ」シリーズの一環として、現存する第1シリーズのすべての音源を収録したCDを発売しました。このCDには、TVサイズの主題歌のみならず、キングレコードから発売されたシングル盤の音源も収録されています。