◆インターネットの進化はブラウザと共にある(2) | カワシマンのこころざし

◆インターネットの進化はブラウザと共にある(2)

情報交換が自由にできるようになったとは言え、それはFTPという技術によるものでした。

世界の研究機関はまだ別々のコンピューターとソフトウェアを使っていたため、他国の研究者の書いた論文を取り寄せるのには TCP/IP網が繋がっていてもどの大学のどのコンピューターであるのかを突き詰めるための簡単な仕掛けが用意されていないことに不便さを感じていました。

相手先のコンピューターのアドレスを調べ、ログイン・パスワードを知っている人を探し、やっと欲しい情報に辿り付きダウンロードすると、知らない書式のファイルのため開いたり印刷することができませんでした。

研究者やわたしのようなユーザーでも常にこういった壁に当たり、都度欲しい情報を本当に目にするために対処していた訳です。


そこで、ティム・バーナーズ=リーは1991年8月6日に「World Wide Web プロジェクトに関する簡単な要約」を発表し、同時にHTTPの仕組みで接続させるWWWサーバーを公開し、URLの概念とHTML の仕組みを説き、ブラウザをダウンロードしてURLを頼りにアクセスできるようなHTTPという通信ルールを世界に紹介しました。

これがインターネットの誕生です。

ブラウザーにアメリカの研究所CERNのサイトがホームページとして表示された興奮は今でも忘れません。CERN のロゴがアニメーションGIFで動画のように動いていることも不思議に思えました。

CERNでは当時のWebサーバーやブラウザーの様子がわかる画像が紹介されています。

当時はまだコマンドでコンピューターに命令を送って一個づつ結果を得るという操作でしたから、URLにアクセスしたと同時に情報の中身が表示されることで、それまでの苦労が不要になるという驚きに変わっていきました。

それでも日本最初のホームページこんな程度でしたが。


リー教授は、UNIXが普及した文化に習い無償でこれらを公開し、その後も利用ライセンス料を徴収することはありませんでした。わたしたちが今ウェブを無料でアクセスできるのも、彼のがあればこそと言えます。彼が「インターネットの父」と言われる由縁です。

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このようにWWWの発想は情報の発信とその収集について「共通化」したルールを作ることでそのための手続きを簡素化したことにポイントがあります。

HTMLを用いて記述したドキュメントをURLでアクセスできる場所に保管するという【共通ルール】を使うだけで、現在までに世界の情報交換スピードが飛躍的に発達した訳です。

共通化したルールを作ること・それを皆が使うことで実現できた文明の発展ですね。


(3)につづく。