以下、とこまじ動画で使用した画像と字幕文です。一部加除訂正。)
「とこまじ」。「とことん真面目に大阪都構想」。第12回目は「鉄道整備の歴史」についてです。
前回は鉄道整備のお金の話でした。今回はどういう歴史的な経過の中で今の大阪の鉄道整備がされたかというお話です。
「大阪市鉄道ネットワーク審議会」(H25)の資料を抜粋したものを用いてお話させていただきます。
大阪の鉄道は、国との関係の中で整備されてきています。国の審議会で、どういう路線をどういう考え方で整備していくかということが、答申という形で示されています。
国の最初の答申が、「都市交通審議会答申第3号」(S33)。以降、数年に一度の答申に基づいて鉄道整備を進めています。
答申第3号(S33)では、地下鉄は都心部では格子状のネットワークを整備すると書かれています。地下鉄は市内は格子状に、私鉄は放射状に延びていく中で、大阪都市圏の鉄道網整備をおこなっていくと決まっています。
そのとき既に、私鉄の都心部への延伸を許可しています。御堂筋線に繋ぐということです。今の私鉄はそうなっています。
その後、輸送需要が伸び、答申第7号(S38)では、御堂筋線の混雑対策として並行路線の整備の必要性が述べられています。
大阪市への流入人口が増えたため、答申第13号(S46)では、放射線状に延びる既存の私鉄の間に地下鉄を引く計画に。
その後、S57に「大阪を中心とする鉄道網構想について」という大きな計画が、大阪府市が中心となって策定されました。
計画をしっかりつくることが非常に大切です。鉄道整備も計画に基づいて進められているという歴史的経過を認識してください。
その後、「運輸政策審議会答申第10号」(H元)の議論を踏まえて、条例路線を大阪市でも追加整備を進めました。
その後、「近畿地方交通審議会答申第8号」(H16)が示され、それ以降は現在まで示されていませんが、
大きな流れとしては、このような計画、国の答申があって、話が進んできているということを、きちっとご理解ください。
勝手に大阪市が地下鉄を引いたわけではありませんし、
延伸についても、大阪市が延伸を嫌がったとかではなくて、このような答申に基づいて話が進んでいるのです。誤解のないようにお願いします。
ちなみに、東京の鉄道整備については、「都市交通審議会答申第1号」(S31)に出ています。
そこには、「郊外民鉄の相互直通運転を前提とした都心部の地下鉄整備」と書かれています。山手線より中には私鉄は入れません。山手線の中は地下鉄、相互乗り入れなので私鉄はそこまで引っ張ってきてください。
東京は最初から、そういう計画でした。
大阪は御堂筋線に私鉄を繋ぐという(国の)計画でしたが、東京は、山手線の中を地下鉄が、そこに私鉄を繋いで相互乗り入れするという答申がS31に出ています。
ですから、大阪が全然民鉄と相互直通運転できていないという話は、この計画をしっかり見ていけば、その理由が分かります。
逆にいえば、東京の私鉄は地下鉄と相互乗り入れしなければ都心まで乗り入れることができなかったということです。
では、資料を細かく見ていきましょう。
このように、S33からの答申を踏まえて、そこからずっと、国も含めて鉄道整備をどうするのか考えてきたわけです。
そしてS57には大阪府と大阪市できちっと計画をつくりました。いまだに、その計画に書かれている路線整備を進めています。
何度も言いますが、大阪市が勝手に地下鉄を引いたり、大阪市が民鉄の乗り入れを拒んだりしたのではありません。計画に基づいてやってきているということをご理解ください。こういうことが計画なく進んでいるとするほうが、普通に考えたらおかしいと思いませんか?
だからこそ改めて、この歴史についてもみなさまにご認識頂きたいと思います。
資料が見にくかったかもしれませんが、鉄道整備のこれまでの歴史についてお話させて頂きました。
ここまで読んでいただきまして、ありがとうございました。
大阪市会議員 川嶋広稔のYouTubeチャンネル
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