南米渡航記vol.9 | 川嶋あいオフィシャルブログ「川嶋あい“ひとこと”」 Powered by アメブロ

南米渡航記vol.9

【渡航6日目】

前日よりブラジルに入る。
入国審査を終え、両国を切り分ける大河を渡る。
大河の向こうには高いビルや家々が並ぶ。
振り返るとパラグアイは緑の木々の間にかすかに建物の屋根が顔を出す程度。
河1つで大きなこの違いに唖然とした。

河を渡るときに思ったんだ。
国の善し悪しを比較するのはやめよう。
その国の文化や人を楽しもう。

何故!?
人生最高の経験と感動をさせてもらったあとに、例え次に訪れた所が天国だろうが竜宮城だろうが、越える事ができないと分かっていたから・・・・

だから、次のブラジルは切り替えないといけないと・・・・

世界三大瀑布の1つ。
過去に私はアメリカ留学の際、ナイアガラは訪れた事はある。
もう1つのアフリカにあるビクトリアの滝はいつか必ず行くだろうと思っていた。

今回のイグアスの滝は思わぬ副産物だ。
行くことは想定していなかったから、170086ヘクタールの広大な国立公園を抜け滝の入口。
バスを乗り換え施設内へ。

この滝は何を私の心へプレゼントしてくれるのだろうか?期待はバスを降りてすぐに最高潮を迎える。




素晴らしい色の蝶が木漏れ日から舞い降りてきた。
南国の天使達は次々と現れ、都会で暮らす私達の心を癒してくれた。

森を抜け、ボートに乗り込んだ。
イグアスを下から楽しむというアトラクション。
白人達が次々と水着に着替えている。私達はちょっとオシャレな余所行きの服でその光景をポカンと眺めていた。その答えが分かるのは15分後だった。

イグアスには幾本の滝が連なり、大中小の滝がそこら中でしぶきを上げていた。
感動と言うより、唖然という言葉が適当だろう。
その自然美は日本語の表現の限界を感じてしまった。
言葉を失い、ただこの空間に身を委ねている時、急にボードが加速した。
何を思ったのか、そのボードはさらに加速し、一直線で滝の1つへ飛び込んでいった。
それは狂気以外の何ものでもなかった。
水しぶきの中に船は突っ込んでいった。

″ザバン!!〟

豪快な音と共に、何百?の水がボートを襲った。
100m位の高さから落ちる水の威力も凄まじく、一瞬気が遠くなった。
歓声を上げる白人達。
困惑の日本人チーム。

悲劇というか、ハプニングはこれで終わりではなかった。
船は次なる滝に突進していった。

少し後悔した。
船に乗り込む前、スタッフがサービスしてもらおうとチップを渡していたのだ。
恐らくこれに気を良くしたのだろう。他の船は多くても2度突っ込んで、引き返していく中、この船は計7回、滝の中に突っ込んでいった。
恐らく1000回分のシャワーをこの7回で全身に浴び、船はようやく岸に着いた。

スタッフは携帯を破壊され、呆然としていた。
有り得ない状況なので、何だかみんな心は愉快だった。
濡れた髪も服も南地の太陽がすぐにそれを乾かしてくれた。

遊歩道を抜けると、いよいよイグアスの滝のメインになる。
″悪魔の喉笛〟に一番近い展望台へ。ここは圧巻だった。
とてつもない。
見渡す景色が280度に滝。
その水しぶきは1km以上離れているであろう私達に降り注いでいた。

対岸300m先はアルゼンチンで、これまた多くの人が広大な滝を見下していた。
自然ってとんでもないものを作り出すものだ。
来る者全てを絶句させ、滝は何百何千年と同じ姿でとてつもない水を下流へと送り出していた。




この旅での半日の休暇は壮大な自然を心に目に焼き付けさせてくれた。
癒しの時間だった。

翌日の視察に備えて、1500km離れたサンパウロに移動した。