南米渡航記 vol.4
【渡航2日目②】
極貧困村を離れ、学校が求められている集落へ向かった。
ここでは政府によって土地と家は与えられたものの、学校がない。
小さな15坪位の集会場を3つに分けて、学校代わりにしている。
私達の到着を多くの親、子供が待っていてくれた。
親達は口々に学校の必要性を私達に伝える。
子供達に質問してみた。
「学校ができたら何がしたい?」
9才の子が答えた。
「字をおぼえたい」
隣の子も答えた。
「本がよみたい」
世界中にこんな子供達が溢れている。
私達が取り組んでいる学校を作るという試みは、マクロ的に見ると大河の一滴にも満たない。
その無力さに、いつも心が締め付けられる。
いつか優しい慈しみの心が広がっていく、そんな仕組みが出来れば良い、そう思って目の前にあるできる事に取り組んでいくしか今はない。
固い握手でおわかれ。
子供達が遠く離れて行く車に手を振りながら見送る。
赤土埃にまみれ、小さくなってゆく姿に小さな決意を固めると共に、パラグアイでの2日目を終える。