昨日も今朝も梅雨らしい空模様が続いています。
でもラジオ体操、太極拳はやりました!
さて、先日ご紹介した『花と昆虫が作る自然』の著者である
田中 肇氏は「花の生態学」が専門です。
花がどのように次世代に子孫を残すか
そのメカニズムを解き明かすことに情熱を注いでいます。
以下は田中氏に教えていただいたことの一つです。
祖師谷公園では今、タチアオイのピンクや赤の花が
咲き誇っています。
タチアオイのことはブログを始めた3年前にご紹介していましたが、
そのときは全く思いも及ばなかった花のしくみを知って驚きました。
タチアオイの花の中心にあるかたまりは
多数の雄しべの集まり(雄蕊筒)です。
花びらに雄しべから落ちた花粉がこぼれているのが見えますね。
これが雄性期と呼ばれる段階です。
やがて雄しべのかたまりの先端から
細かい糸の束のような雌しべの集まりが出てきます。
次の段階では、
雌しべの集まりが噴水のように広がり、
下の雄しべに触れて
細い糸のような雌しべに花粉がたくさんついています。
これが雌性期と呼ばれる段階です。
切られた株があったので、花を持ち帰りました。
これが雄しべのかたまりで
表面には花粉がたくさんついています。
その雄しべのかたまりを半分に割ってみると
中から雌しべの束が出てきました。
作業をしている間に雌しべにはあっという間に
花粉がついてしまいました。
さて、ここからです。
タチアオイやハイビスカスをはじめとするアオイ科の植物は
みなこのような構造をしているのですが、
その利点はなんでしょうか。
と田中氏は問いかけます。
1.雄しべが互いに合着して筒になるので、少ない資源で長い構造物を作ることができる。
2.同様に雄しべより長い雌しべも、筒に支えられ、細くても立っていられる。
アオイ科の花はこうした巧妙なな方法で、花を作る資源を節約しているのです。
雄しべの中心から雌しべが出てくる、そしてその巧みな作り、
そんなこと考えてもみませんでした!