0509相場分析 | 国際経済・為替情報分析

0509相場分析

■総論
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昨夜は円が買い戻されクロス円が全面安の様相を呈したが、その後値を戻し、結果は通貨ごとにまちまち。ドル円は結局60銭ほどの値動きで、120.00目前と、ほぼ元の水準を回復したと言える値で朝を迎えている。ユーロ円は昨日のクロス円安の震源地だったように聞いているが、163.30前後から161.90まで、1.40の下落で驚くほどではないが大きな下げ幅。一時回復するも、現在も162.25と回復しきれず日をまたいだ。ポンド円は239.40あたりから238.20まで1.20の下落。こちらはジェットコースター通貨にしては動きが少なかった。やや回復するも、やはり回復仕切れず。

なお、一時的な回復の原因は米卸売関連の指標か。在庫は予想以上の積み上がりだったが、卸売売上が上にぶれて消費の好調を印象づけた。そこでドルは跳ね上がって、そのままゆっくり上昇。ユーロ・ポンドは跳ね上がりは無いが釣られて上昇。そして今朝は全通貨ふたたびクロス円安の様相。

こんなに早く来るとは思わなかったが、勢いがないと解釈し崩落を待つスタンスに順風が吹き出した。

米指標は決して弱気一色ではない。FOMCは文言修正無しで肩透かしではないかと思う。問題は市場の構え。ハト派を期待する向きが多いと、ドルが上がってしまうかも。

各種レポートはまちまち。トレンドが転換すると見るか、ドルに注目する人はレンジ内に止まったと言っている。

対中圧力は一時的に話題から消えている感あり。今はなんといってもFOMCが関心の的か。

あるアナリスト(私はこの人物を人間的にまったく信頼していないが……)が、ポツダムG8でヘッジファンド規制が話題に上ること、5~6月がヘッジファンドの決算期であることを理由に、キャリートレードの大きな巻き返しがあると予測している。まぁ真に受けることはせず、そんなこともあるかもね、程度に読んでおきたい。


■経済
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FOMCに注目。ただし米指標は弱気一色ではない。
昨夜はドイツの株価が下がったのを切っ掛けにユーロ売りが進んだ様子。しかし米卸売関連の指数が消費の好調を示唆し、円キャリー再構築?

やや気になるのは、欧州はインフレつぶしのために欧州通貨高を容認している気配。そうなるとあまり深い調整には、逆に不快感を示す恐れも。ただ、ドイツから円安への苦言とおぼしき発言も出た模様。気にし過ぎなくてよいか。

なお、キャリートレードについて「実態は把握出来ていないが、規模は言われているほど大きくない」という冷静な見方が出ている。


■政治
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FOMCに日銀政策決定会合、G8、米中対話と、注目の材料は多い。FOMCは声明に注目。日銀はポツダムG8の前に円安批判をかわすための利上げを実行するのではないかと言う。対中圧力はWTO提訴が6/10に、対中関税の結論が6/13に出る様子。


■チャート
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昨日、ユーロドルの時足について「あと1日か2日のうちに反落しそう」と書いたが、昨日の下落でちょうどよいレベルに落ち着いた。次は1日か2日のうちに反発とくればセオリーどおり。ただしその前に1.3520くらいまで落ちても良さそう。反発は1.3600には届かなさそう。日足週足月足はよく分からないが、まぁ大きな反落があってもおかしくはない、という程度。

ドル円のチャートは変化無し。レジスタンスは120.45-50とのこと。対するサポートは119.90や119台半ば。一時話題になっていた、去年の春から形成された巨大なヘッドアンドショルダーズは、一応まだ明瞭に崩れたとは言いがたいが、話題からは完全に消え去った形。自分で見た限りでは、やはり時足日足週足ともよく分からない。

ユーロ円は162円後半から163円前半までの狭いレンジを下抜けた。昨日は「レンジ決め打ちは難しい」と書いたが、手を出していたら含み損だったでしょう。手を出さなくて幸い。
日足の鋭角的な上昇が崩れ始めている気もするが、断定するほどでもない。まぁ、断定できる状況を待ていたらいつまでもエントリーできないし、ここは更に下げると踏んでいいかなと思っています。私は買いポジションしか取れないので、さらなる下落を待つスタンス。週足、月足の160円割れ調整は依然期待して良いと思う。

ポンド円はユーロ円に準ず。


結論。ユーロ狙いでもう少し待つ。ドルユーロのユーロ反発がユーロ円の反発ではなくドル円の下落という形で生じれば楽しいのだが。


■今後の予定
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5/9 27:15 米FOMC政策金利(景気見通しハト派に変更?)
5/10 20:00 英BOE政策金利(0.25%利上げ織り込み済み)
   20:45 欧ECB政策金利(据え置き・タカ派声明織り込み済み)
5/16-17 日銀政策決定会合(利上げの噂あり)
5/18-19 ポツダムG8財相会合(円安批判?)
5/23-24 第二回米中戦略的経済対話(中国元の動きに注意)

6月 欧ECB利上げ織り込み済み
7月 日本参院選(政局見定め・日銀は参院選後利上げとも)
年内 米FOMC利下げ織り込み済み