トチノキというと、パリのマロニエを連想するが、これは日本産のトチノキとは別種である。

三浦伊八郎博士の「日本におけるマロニエ」によると、パリのシャンゼリゼーにある美しい紅花のマロニエは、白花の欧州7葉樹と、アメリカのフロリダ原産といわれる高さ10mの小喬木パビア7葉樹との交配種で、これをマロニエ・ルージュあるいはマロニエ・ルビクンドと称していると述べている。

日本では寒暑の差がはなはだしいためか、2月と8月に相当いたみ、東京ではしばしば枯れることがあり寿命も短い。

日本産のトチノキは全国にあり、大木になるが、樹型は割合に整っている。

冬芽は大きく、ねばねばした粘液におおわれて黒かっ色になっている。

4月中句に萌芽し、5月の初めに掌状の大きな葉を広げ、その新緑の美しさは圧巻である。

河瀬大介