わたくしたちが結婚式や披露宴に招かれた場合、型のとおりに服装をととのえて、定刻までに出席し、型のとおりに祝辞を述べるなど〈婚礼〉の礼法にはずれることのないようにふるまったとしても、食事のしかたが無作法であったり、立ち居振舞いが粗野であったりしては、周囲の人々の笑いをかい、ときには、そしりを受ける結果にもなりかねません。
つまり、わたくしたちは、そのような祝祭行事に出た場合、儀式や行事の作法どおりにふるまったとしても、日常的な礼儀作法に欠けるところがあれば、礼を失する結果になるのであり、〈冠婚葬祭〉の礼法は、日常的な礼儀作法が伴って、はじめて完全なものとなるのです。
ここぞという時に困らないように、日頃から礼儀作法やマナーについて考えるようにしておきましょう。
河瀬大介