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昨日は母の日で 母に感謝をした。

俺が幼い頃 両親は離婚した

父の日がある事も知らなかった。


俺が結婚して 30歳を超えた頃 国際結婚の難しさに悩んでいた ある日

目を閉じると

お父さんと逢いなさい
お父さんと逢いなさい

と言う声が聞こえて来た
物心ついて逢った事も
ない どこにいるかも
知らない父親を探し 叔母にあたる方を通して 逢わせてくれと頼んだ。

断られた

長い間の闘病生活で自宅療養中だと

逢いたい お父さんと会わせて下さい

話してみます


東海道に約30年ぶりの大雪
新幹線が新横浜で止まった

徐行運転で新大阪まで8時間少しかかった。

外は雪で真っ白

俺と父親の長い道のりを神様は真っ白にしてくれたんだ

若い頃のこの写真とは違う 男性がぽつんと座っていた


パパ?

首をたてに振った

抱きしめた

しかし父親の手はかすかに動くだけ 半身不随

父は鼻水を垂らしながら 涙が溢れてた

逢えて良かった

東京に帰って数ヶ月後
父親の新しい家族からの電話

もうやばい。パパ今晩くらいまでしかもたへん

急いで兵庫県まで行った
マスクの中で小さな息をしてる父親がいた

主治医からかなり努力はしましたが これ以上はと。
父親の耳元で

ありがとう この世に生まれて感謝してるで
ありがとう パパも心配せんでいいで 逢いに来たで
パパ自分の中で赦せてない事を全然赦して 身体を楽にして 元気になって


目閉じてる父親の目から涙が流れた


奇跡が起こった。意識が戻り自宅療養

大阪新歌舞伎座出演中休演日の前日 父親はこの世を去った

あれから半年も頑張ってくれた

数回しか会ってない父親の葬儀の喪主を務めさせていただいた。

偶然大阪にいた しかも舞台の休演日

父親を見送った

ありがとう

ほんまにありがとう

両親がいなければ

俺はここにいないのだから。