初期の頃のディスクブレーキって雨に濡れると効きません。
水がディスク表面に付着して空走するんですね。
勿論、熱が加わると水分は蒸発するのでブレーキは効くのですが
一発目が効かないと心臓が口から飛び出ます。( ゚Д゚)ノ
で、当時言われていたのが
雨が降ったらブレーキを軽く掛けて走って水滴を飛ばしておけ
ということでした。ドラムブレーキだと雨に強いのですけどね。
しかし、水が大量に入ると質が悪く乾燥にも時間が掛かるし
ドラムブレーキには穴が開いていましたよ。
えっ、あれって空冷用の穴なのけ?
SR400・500のドラムブレーキ仕様の奴はなんちゃってゴム栓を
取り付けてありましたけどね。※あのゴムは欠品なので注意
で、トレンチカットだ
トレンチ・・・溝・塹壕とかそんな意味なんですと。
これは塹壕戦で使うショットガンで、威力あり過ぎでドイツ軍から
抗議が来たというものです。
これがトレンチカットです。
ディスクローターに着いた水滴を溝に押し込むことによって滑りを
防ぐ目的で溝がありました。
後にカワサキが不等ピッチ+メタルパッドでこの対策をしたことで
トレンチカットの出番は無くなって行きましたね。
最近のオートバイのディスクローターは穴が開いているのが普通に
なって、穴の開いている目的が
①バネ下過重の低減 軽量化
②ディクスローターの冷却 穴の分表面積が広くなる。
③ディスクパッドのクリーニング 穴との段差でパッドを削ります。
④水滴を穴に押し込んでブレーキタッチの変化を防ぐ
なんてことが言われています。
穴あきデイスクを各社が採用し始めた当初はファッション的な
説明をしていましたね。ヤマハだったかな。
で、ブレーキタッチに拘ったホンダが出したのがインボードデイスク
でした。鋳鉄ディスクを採用したんだけど。すぐに真っ赤に錆びて
見た目が悪いということでカバーを付けて隠しました。
CBX400F、VF400F、VT250Fとか続々と採用されました。
最終的には普通のディスクブレーキになっちゃったけどディクスローターの
質?ブレーキパッドの質の向上があったからでしょうか。
昔は溝部分に赤い塗料が流し込まれていたような気がします。