● “子育てママへのクラシックコンサート”~0歳児からもご一緒に~
8ヶ月に入ったときに地元で開催されたコンサート。もともと行く予定はしていたのだけど、思いもよらず0歳関係のお仕事のお話をいただいていて、自分の勉強も兼ねて行ってきました。

クラシックに限らずだけれども、芸術に触れる時間を0歳児から持ってあげる事はとても大事な事だと私は思う。
絵本の読み聞かせなども同じだと思うけど“あかちゃんにはわからない”からわかるようになってから始めるという考え方は間違いではないけれど、じゃあいつ頃からわかるようになるのか?ペースは人それぞれだとは思うけど、寝返りができるようになって見える世界が広がるように、わかるようになる過程にはたくさんの刺激が必要なわけで。だったらその刺激をたくさん与えてあげて、わかるようになった瞬間の初体験をひとつでも多く一緒に共有できた方が親の自分としても楽しいんじゃないかなって。
とはいえ、4ヶ月の時に行ったかいとのコンサートデビューでも思ったけれど、赤ちゃんがご機嫌な時間・タイミングをコントロールすることはむずかしい。

初めてのコンサートデビューのコツは子供の集中力をもたせようなんて思わない事。ただでさえ、外出するだけでも母親はいつも公共の場で子供がぐずらないかとヒヤヒヤ。演奏中もヒヤヒヤしちゃって母親がまず音楽を楽しめなきゃ子供だって落ち着きがなくなっちゃうのは当然。
一番は音楽でも絵本でもことばでも、早い時期から“一緒にふれあう時間をもつ”事が大切であって、最初から理解できるかできないかを問う必要はない。
ただ、最初からケチらずに本物の、つまり媚びていない愛のある芸術に触れてほしいとは思う。


演奏会にはかならず“曲間”というものがある。“マ”というもの。これって赤ちゃんからするとおもしろいとある一種のスイッチに感じるらしい。
曲が派手にしまって音が終わった瞬間からシーン…と空気が静止する“間”があり、突然耳元から拍手の音が聞こえ周りの人たちがみんな同じように手をたたいている様子。曲によってはフェードアウトしていったあとの間。拍手でできる緊張感、空気感からの食いつきっぷり唖然顔。その後のホッとする瞬間。静かにしなければならない、聴かなければならない、などではなく、こどものひとつひとつの反応を楽しみながら聴くと結構おもしろい。

1曲歌であれば2,3分、楽器であれば5-7分、絶対に子供は気が散りはじめて飽きてきちゃうものだから、ずぅっと聴こうなんて思わない。ただその1曲の中で一瞬でも耳にはいった“間”や音楽は、あとあと耳に残っていて、何年かしてふとした時にピンとくるものだったりするから、そこは気長に。ママたちはみんなご存知の通り、子供は親の呼吸にとっても敏感。緊張していればそれも子供に伝わるし、ピリピリ怒っていても伝わってしまうし、寝ないねないって焦ると子供って寝ないし、、、だからコンサートを楽しむにはまずママが子供を見守るだけの余裕がないと。
この『見守る』って本当に奥深くて難しいことだけれど。
やっぱり見守る上での最低限のマナーではないけれど、親子で聴くコンサートでの心構えはしっかり持っていてほしい。
多少ぐずっても、声をあげても、全然かまわない。リズムをとりたくなったのかなと思えば、多少リズムにのって踊ったってかまわない。ただ眠くてもう何も耳に入らないだろうなとか、椅子から離れたものに興味がいってしまってもうじっとしてるよりも動きたくて動きたくて仕方がなくなってるなとか、そうママが判断した時はさっと散歩がてら少し違う空気を吸いに席をたってみていただきたい。
たっちし始めた子供は特に初めての場所にしかも大きなホールなんてきたら走り回りたくなるのも無理はない。でも一人走り回ってそれを許してしまうと、ステージに集中してた子も連鎖して動くものに気がいってはしりたくなってしまうもの。1時間ずっと座ってるのは酷だから、最初からどこか途中でタイミングをみて体を動かす事を考えてあげたほうがいいと思う。
子供をどう見守るか。これ以上気が散ったら外に散歩だなとか、この位は自由に感じたままのこの後の行動を見守ってみようとか、コンサート会場に入る前にママにそういった境界線を作って持っていてもらいたい。

今回のコンサートでは子供をコロがせられるように床にマットを用意してくれていた。でも、演奏中はできればお膝の上で一緒に体感できるのが一番ベストだと思う。転がしてしまったら子供は目の前にあるものに食いつくから音楽はBGMとして子供は動き回るのは当然、ママも隣のママとお話したくなるのも当然。なぜならぐずった瞬間、、、隣のママから笑みをいただけば、「すみません、最近この子いつもこうで…」なんて子供のいるママにはいつでも子供の成長について話したくなってしまうもの。。。この日も何人か普通に座り込んで小声で話してました。
今回のコンサートプログラムの方は、0歳児も一緒にとあったが、0歳児対象のコンサートではなく、子育て中のママ対象に癒やしを、0歳児も連れてきていいですよ、といった内容でした。曲間の間は多少楽しめたけど、MCまで集中できないから曲の説明なんかは聞いてられなかったし、声楽の方の声にしてはあまりめりはりがなくて、それより音がなっている間は「アーティスト 対 子供」として集中してた息子にMC中は「親(祖母w) 対 子供」の時間を作ってあげて、くっついたり高い高いしたりじゃれあってた。




“0歳から”の意味を考えだすと、結構奥深くてやるべき事があるような気がして。
実は仕事復帰については時期的にまだ考えてなかったのだけど、今回“0歳”ってつく仕事のお話いただいて、これは復帰後初の仕事としては願ってもないタイミングで、色々事情ご理解いただけた上での契約、本当に大事にしたいなと思う。
これから担当する大きな会場で0歳から入れるコンサートも楽しみだけれども、地元でも初めてコンサートにでかける親子対象として小規模でレクチャーも取り入れた0歳の“為”のコンサートも少しずつ考えていきたいな。