昨日今日と照明が入っての段取り稽古。



いつも思う。

今まで俳優が積み上げて来たものが、光により劇的にシェイプアップされる。

文字通りシーンが鮮やかに色付けされる。

分かりやすく、面白くなる。

正に魔法。

僕の下手な芝居すら「ちょっと下手」ぐらいにしてくれるんだから照明様々だ。

もっと光を(ゲーテ)。


↑さて、こちらは照明が無くとも十分芝居が出来る人、モス役の角野哲郎氏だ。(今回彼は道化の少年役。軽快な身のこなしと台詞回し、そして上品な歌声に着目して頂きたい。)


角野氏はいつも朝早く来て発声練習をしている。

冗談半分に先輩から「うるさい」と言われて以降、それを陰でするようになってしまった。

そんな優しい青年である。



彼は、お手製弁当を日々持参する。

数日前まで、

「家に古い米が残っていて、炊くと酸っぱいんです」

と訴えていた。

当たり前である。古いんだから。


しかし最近新米を買ったらしく、今では幸せそうなランチタイムを過ごしている。

この日の僕の昼飯は白米、ハンバーグ、コロッケ。

彩り鮮やかな彼の弁当と褐色の僕の弁当。

こういうトコから差が出るんだな。

ランチの色彩は、芝居のそれに通ずるのかもしれない。

明日の昼は、グリンピースとコーンとニンジンの混ざったやつでも食べようと思う。



本番まであとわずか。

木々も微かに色付き始めた秋空の下、是非とも心温まる色恋話を観にいらして下さい。。


皆様の御来場、心よりお待ちしております。

ビローン役
釆澤靖起