9/22NHK短歌。枡野浩一さんの「あなたへの手紙 かなたへの手紙」、今回のテーマは「だいすき/だいきらい」。ゲストは映画監督の上田慎一郎さん、司会は尾崎世界観さん。

【上田慎一郎さん】1984年生まれ。滋賀県出身。既に中学校時代から父親ハンディカムで友人と自主映画を撮り始めた。高校(県立長浜高校)の時に演劇部に入部し脚本・演出なども担当した。高校卒業後も独学で映像を撮り続けた。2009年自主映画団体「STUDIOMAYS」に参加。その後独立し、映画製作団体「PANPOKOPINA」を結成。数々の短編映画を手掛け、2018年時点、国内外の映画祭で46の賞を獲得した。(wikiより)

上田慎一郎さんは「モテる」らしい、と枡野さん

★川柳と俳句と短歌の区別などつかない人がモテる人です  枡野浩一

◎枡野さんの「だいすき/だいきらい」の短歌。

★好きだった雨、雨だったあのころの日々、あのころの日々だった君  枡野浩一

枡野さんはこの短歌をあしらったTシャツを着ての出演でした。

◎入選9首

★あらアンズもう時期アンズ迷い無く値段も見ずに手に取るアンズ  山口県周南市 野村貞江

    ↑特選三席。

★非を認め謝罪すること大嫌い傲慢なまま生きて行きたい  奈良県奈良市 森本 晋

    ↑特選二席。

★蜻蛉(せいれい)に差し出す指が一本であるようにきみだけがすきだった  奈良県大和郡山市 大津穂波

    ↑特選一席。

★線のあるイヤホンみたいにだいすきと単純に伝えたいよ、あなたに  兵庫県新温泉町 田中 佳

★大好きということにして君と会い罰として飲むクリームソーダ  東京都八王子市 美好ゆか

★「おかあさんだいきらい」だと言えるのはおかあさんから愛されてる子  東京都三鷹市北清水麻衣子

★「大きらい」と口に出せたらそんなにもきらいにならなくてすんだのに  千葉県船橋市 佐々木 恵

★父さんが大好きだった咖啡は大人になってもかしこい香り  埼玉県上尾市 佐藤研哉

★結婚か仕事か迷うと孫が言うほんとに好きなら迷わないのよ  埼玉県和光市中門和子

入選歌及び佳作は「NHK短歌テキスト」11月号に掲載されます。次回、枡野浩一さんへの投稿は↓

◎枡野浩一の「改悪添削」

   ↓

★(元歌)非を認め謝罪すること大嫌い傲慢なまま生きて行きたい

▼非を認め謝罪すること大嫌い傲慢なまま生きちゃいそうだ


「言い訳がましくなり、ダメになっちゃう」「誰にも好かれようとすれば誰からも好かれない」(枡野浩一さん)


◎上田慎一郎さんの短歌

★だいきらいつぎはだいすきだいきらいすきかきらいかさいころ振って  上田慎一郎

◎「ことばのバトン」これまでの22回分を枡野浩一さんが総括

活字の「きみの香りが残る窓際(詩人・文月悠光さん)」は最後の分。

一番罪深いのは「バンドやろうか還暦だもの(「短歌研究」編集長・國兼修二さん)」

「命の限り歌えよ恋を(高校教諭・田村裕さん)」を受けた「制服の内ポケットが光り出す(NHKアナウンサー・伊東敏恵さん」は良かった。

そして「乱反射せよ呪いのペン(漫画家・ニコ・ニコルソンさん)」を経て「まつさらな白紙を前に全能感(漫画編集者・金子崇さん)」を受けた「きみの香りが残る窓際(詩人・文月悠光さん)」は最後を飾るに相応しい良句であった。

そして最初の「何度でも「はじめまして」を言いたくて(枡野浩一さん)」に戻るという形。


◎再放送は、9/26(木)午後2:10〜2:35。