8/1プレバト(俳句)。女性の名人・特待生一斉査定。題「秘密基地」。 

ありきたりな発想になりがちな「秘密基地」。どのようなオリジナリティを出せるか?というところ。凡人ワード、例えば「子ども」「放課後」など。

名人10段中田喜子、名人9段森口瑤子、名人7段皆藤愛子、特待生2級犬山紙子、特待生5級水野真紀。

(句集完成まであと22句)永世名人藤本敏史。

(番組の〆に相応しいか)特別永世名人梅沢富美男。


以下、放送順。


◎特待生5級・水野真紀

★秘密基地夏夕暮れに母の声

評価のポイント《中七「夏夕暮れに」という表現の是非》

    ↓(査定)

《現状維持》←《語順が違う》《既視感あり》《「に」が説明的、散文的》

    ↓(添削)

▲母の声夏夕暮れの秘密基地

◎特待生2級・犬山紙子

★冷蔵庫の奥プリンの秘密基地

聞いた瞬間、「うん?何のこと?」と思いましたが、冷蔵庫の奥に忘れられた、あるいは隠していたプリンのある所を秘密基地に例えたか。


評価のポイント《秘密基地を比喩としたことの是非》

    ↓(査定)

《1ランク昇格》《些細なことなのに大げさに表現》《ユーモアがある》《この句の場合、「に」があった方が良い》

    ↓(添削)

▲冷蔵庫の奥にプリンの秘密基地

◎名人7段・皆藤愛子

★風薫る放課後今日も秘密基地

ああ、やっちゃいましたかね〜。完全な凡人ワードか?最後の「へ」も要らなさそうだし。


評価のポイント《「放課後」と「秘密基地」を取り合わせた発想の是非》

    ↓(査定)

《1ランク降格》←《発想がありきたり》《「放課後」「子ども」なんてのは「秘密基地」に既に入っている》

    ↓(添削)

▲風薫るルミちゃんと行く秘密基地

▲風薫る今日は行けない秘密基地

◎名人9段・森口瑤子

★まるで秘密基地博士の夏舘

ああ、博士の舘(夏舘)が秘密基地みたい!という句のようです。そして「館」ではなく「舘」を使ってある。


評価のポイント《季語「夏舘」を取り合わせたことの是非》

    ↓(査定)

《1ランク降格》←《「夏館」は涼しげにつくられたもの。「秘密基地」とはかなりイメージに異和感がある》

    ↓(添削)

▲青蔦の舘博士の秘密基地

◎名人10段・中田喜子

★ケーナの音麦の風吹く秘密基地

ケーナは、南米ペルーボリビアなどが発祥の縦笛。俳優の平泉成が趣味で作られるそうです。

それをやはり俳優の田中健さんが吹くという。

「麦の風」は、麦秋の頃に吹き渡る風で、熟れた麦の黄金色の畑に吹く爽やかな気持ちのいい風。初夏。

評価のポイント《「ケーナ」「麦の風」を取り合わせた効果の是非》

 ↓(査定)

《1つ前進→星1つ》《シックな秘密基地》《「秘密基地」から思わぬとこにきた!》《「吹く」は要らないのだがこの場合は有っても良い》


◎(句集完成まであど22句)永世名人藤本敏史

★弟に秘密の秘密基地真夏

「弟に秘密の」というオリジナリティがいいですね。また更に「の秘密基地」と続き「弟に秘密の秘密基地」という言い回し、なかなか面白いのではないでしょうか。最後の「真夏」、という持って来方はさてどうでしょうか。

    ↓(査定)

《掲載決定!》←《類想を土台として小さなこと(弟に秘密)を上手く入れた》《包容力のある季語「真夏」をよく選んだ》


◎(番組の〆に相応しいか)特別永世名人・梅沢富美男

★少年の空蝉残る秘密基地

この句はいろんな場面や作者の心象を想像しなければならないような句だと思われる。さてこの幅の広い句を夏井先生はどう評価されるか?

    ↓(査定)

《お見事!》《発想はベタだけど、フジモン同様、ささやかな工夫をやった》《「少年の空蝉」の性格付け→かつての少年たち、そしてその少年たちはもういない、そこは秘密基地だった。時間的な経過がある。少年は空蝉になったかも、などなどいろんなことを想像させられる。それでいてリアルなニュアンスもある》というようなことを仰っていたと思います。


◎次回の題「かき氷」