6/17長崎新聞郷土文芸(2)グループ作品、句誌より、短歌ありて、あわい欄、俳句はいま。

◎「グループ作品」「句誌より」

(よしきり句会)

★山肌はつつじ爛漫海青し 川添早苗

★四七日や窓を開くれば山笑ふ 詩狩 青

★小流れの音軽やかに今年竹 樋口千代

(佐世保句会)

★人並に老いを迎へて竹の秋 髙永久子

★羅のふくらむ橋や川のぞく 奥村ちか

★有明の月うすれゆくみどりの日 鴛渕和明

★下萌を跨ぎ洞穴遺跡かな 福田信賢

✦口許は母似と言はれさくらんぼ 牛飼瑞栄

★茶を摘むも炒るも揉むのも催合(もやい)かな 川岡末好

(長崎新聞カルチャーセンター麦の会)

★入梅や降りみ降らずみ処刑の地 小谷一夫

★寮の子の帰宅と見るや鰺揚ぐる 宮内百花

★玻璃窓をよぎるヨットや唐津湾 山下洋一郎

★筑後川えつ飛びはぬる麦の秋 山下清美

(杏長崎4月号)

★辛夷咲き矜持の白の羽搏けり 小宮順子 

★現し世を脱け梅林の風となる 西 史紀

(万象4月号)

★衿元を少し直して屠蘇受くる 山下敦子

(馬酔木4月号) 

★弔ひに向かふ国道雪しきり 熱田絵美

★新日記能登の地震に始まれり 堀川みど哩

★日の丸に朝風とほる年新た 馬場史子


◎「短歌(うた)ありて」より

★戦世や済まち みるく世ややがて 嘆くなよ臣下 命ど宝 尚 泰

 〜琉球王朝最後の王の歌。首里城を明け渡す日に王が民に呼び掛けた言葉。「戦いの世は終わった。平和な弥勒(みろく)の世がやってくる。嘆くな、皆の者よ。命こそ宝だ」と。

 この歌が2015年の沖縄全戦没者追悼式でよまれた若者の詩の中でよみがえった。その会場には、敵味方関係なく沖縄戦死没者と沖縄出身の戦死者24万人余の名前が刻まれた「平和の礎(いしじ)」がある。その中に1601人の本県出身者のご芳名もあった。もうすぐ6月23日の沖縄の慰霊の日がやってくる。沖縄と広島と長崎の火を合わせ 「平和の火」がともる。黙とうしたい。(やまなみ・山本博幸)


◎「あわい」欄

「あわい」欄の菖蒲祭俳句大会については既に当ブログにてご報告しております↓
◎6/2第40回菖蒲祭り俳句大会「泥水を吸ひて白増す白菖蒲(永田桃花 市議会議長賞)」
https://ameblo.jp/kawaokaameba/entry-12854674233.html
「あわい」欄の他の記事、及び下の「俳句はいま」は後日、読みやすいようにしてまた投稿致します。