6/17長崎新聞郷土文芸(2)グループ作品、句誌より、短歌ありて、あわい欄、俳句はいま。
◎「グループ作品」「句誌より」
(よしきり句会)
★山肌はつつじ爛漫海青し 川添早苗
★四七日や窓を開くれば山笑ふ 詩狩 青
★小流れの音軽やかに今年竹 樋口千代
(佐世保句会)
★人並に老いを迎へて竹の秋 髙永久子
★羅のふくらむ橋や川のぞく 奥村ちか
★有明の月うすれゆくみどりの日 鴛渕和明
★下萌を跨ぎ洞穴遺跡かな 福田信賢
✦口許は母似と言はれさくらんぼ 牛飼瑞栄
★茶を摘むも炒るも揉むのも催合(もやい)かな 川岡末好
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240617/07/kawaokaameba/1e/55/j/o1049108015452496380.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240617/07/kawaokaameba/9f/cb/j/o0675108015452496382.jpg?caw=800)
(杏長崎4月号)
★辛夷咲き矜持の白の羽搏けり 小宮順子
★現し世を脱け梅林の風となる 西 史紀
(万象4月号)
★衿元を少し直して屠蘇受くる 山下敦子
(馬酔木4月号)
★弔ひに向かふ国道雪しきり 熱田絵美
★新日記能登の地震に始まれり 堀川みど哩
★日の丸に朝風とほる年新た 馬場史子
◎「短歌(うた)ありて」より
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240617/07/kawaokaameba/1d/e7/j/o1080023415452496386.jpg?caw=800)
★戦世や済まち みるく世ややがて 嘆くなよ臣下 命ど宝 尚 泰
〜琉球王朝最後の王の歌。首里城を明け渡す日に王が民に呼び掛けた言葉。「戦いの世は終わった。平和な弥勒(みろく)の世がやってくる。嘆くな、皆の者よ。命こそ宝だ」と。
この歌が2015年の沖縄全戦没者追悼式でよまれた若者の詩の中でよみがえった。その会場には、敵味方関係なく沖縄戦死没者と沖縄出身の戦死者24万人余の名前が刻まれた「平和の礎(いしじ)」がある。その中に1601人の本県出身者のご芳名もあった。もうすぐ6月23日の沖縄の慰霊の日がやってくる。沖縄と広島と長崎の火を合わせ 「平和の火」がともる。黙とうしたい。(やまなみ・山本博幸)
◎「あわい」欄
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240617/07/kawaokaameba/cc/90/j/o1080088815452496388.jpg?caw=800)