6/16NHK俳句。題「鮎」選者は木暮陶句郎さん、ゲストはウド鈴木さん。

ウドさんは、snsで短歌を発信しているそうです。歌集も出してますね(『ウドの31音』飯塚書店刊)。

★バカでもいい利口でもいいハンパでも枠とびこえて大バカがいい(『ウドの31音』より)

★大いなる愛に包まれ育てられ感謝と陳謝心より捧ぐ(〃)

★なにもかも手につけられないそんな時一回寝てみるこれがいいんだ(〃)

★成功の自分もいいが失敗の自分も認めて寄り添い救う(〃)


◎兼題「鮎」の名句

★月のいろして鮎に斑(まだら)のひとところ  上村占魚

◎「器に季語を盛る」器は木暮陶句郎さん作。料理は柳原尚之さん(江戸懐石近茶流)。
「はじめて器をみた時、大きな川のながれが目に浮かびましたので、その川の瀬を登る鮎を小ぶりな鮎で表現しました。この句の《月》と《鮎の斑》が川の水面に映っている様を玉子豆腐で見立てています。また、上村占魚さんが25才の時に作った句とのことで若々しく勢いのある盛り付けにしました。夜涼みの中、素麺とともに鮎のほろ苦さを楽しんでいただければ嬉しいです。」(柳原尚之)

◎特選9句

★吾の影の短し鮎の影疾し  島根県江津市 はぐれ杤餅

★対岸の父のこゑ消す鮎の川  滋賀県守山市 主藤充子

★鮎食うてその夜の夢の瀬音かな  神奈川県大磯町 前田恵美

★色褪せし鱒二の色紙鮎の宿  神奈川県横浜市 髙野 茂

★喧嘩っ早そうな奴を選んで囮鮎  埼玉県さいたま市 堀田福朗

★阿武隈川(あぶくま)のここが瀬頭鮎の宿  福島県西郷村 黒澤正行

    ※「瀬頭」=緩やかな流れから、瀬になりかかって波が立ちはじめる所。(⇔瀬尻)。

★(三席)鮎の宿逢はぬと決めた人と会ふ  大阪府羽曳野市 内本惠美子

★(二席)満月のしづくを鮎と呼びにけり  神奈川県鎌倉市 里村 閑

★(一席)鮎のいる川を誇りに育つ子ら  岐阜県各務原市 村松陽子

特選句及び佳作は「NHK俳句テキスト」8月号に掲載されます。

    次回の木暮陶句郎さんへの投稿は↓

◎ウド鈴木さんの俳句

★今年も鮎ごちそうなりたや占おか  ウド鈴木

    ↓(添削)

今年また巡り逢ひたき鮎料理  ウド鈴木

※季節によって呼び名が変わる鮎

    ➝鮎・香魚・年魚(夏)、氷魚(冬)、若鮎(春)、錆鮎・落鮎(秋)…。