6/9NHK短歌。テーマ「嫉妬」、選者は俵万智さん、ゲストは鳳稀(おうき)かなめさん、司会はヒコロヒーさん。

鳳稀かなめさんは、大河ドラマ「光る君へ」で藤原道長の正妻である源倫子とその娘の藤原彰子に仕えている赤染衛門を演じている。


◎入選9首

★預かった猫の毛なのねウェーブがかかってるのね金色なのね 沖縄県竹富町 麻倉 遥

★きみたちが同じバッグを持っててもリプはつけない気付きもしない 大阪府大阪市 畑 依裕

    「リプ」=SNSでよく使う専門用語。「Reply」の略で、他人のツイートに対して返信すること。

★「すごいね」に混じってしまうざらざらを潰していますカレーの匙で 三重県大紀町 北村 保   

     ↑ 特選一席。

★わたしより先に生まれただけなのに姉の部屋には陽がよく当たる 和歌山県和歌山市 中村マコト

    ↑ 特選三席。

★長男の好物ばかり並べ置く実家の味を割箸で食む 長野県小諸市 丸山ま美

★妬まれる要素が何もないことで私はとても得をしている 東京都杉並区 伊東澄子

★産休に入る友への花を買う我は受粉せぬめしべを持ちて 東京都調布市 古澤茅世加

★恋人の話題を避けた型抜きの抜いた形で分かってしまう 東京都三鷹市 今井マイ

    ↑ 特選二席。

★退院を遂げしベッドの空き地へと不法投棄の如き舌打ち 群馬県桐生市 村松正敏


入選歌及び佳作は「NHK短歌テキスト」8月号に掲載されます。次回、俵万智さんへの投稿は↓

◎「光る君へ」から学ぶ。

★やすらはで寝なましものをさ夜ふけてかたぶくまでの月を見しかな 赤染衛門

    (【万智訳】迷わずに寝ればよかった 気がつけば月を見送るためだけの夜)

★君や来む我や行かむのいさよひにまきの板戸もささず寝にけり 古今和歌集 読み人知らず

    (【万智訳】来る来ない行く行かないの十六夜に戸を開けたまま寝てしまったわ)

◎ことばのバトン

    ↓(引き継ぐのは妙圓寺住職・本間大智さん)
◎再放送は、6/13(木)午後2:10~2:35。