5/19NHK俳句。題「穴子」、選者は木暮陶句郎さん、ゲストは林家たい平さん。
★藪入りや何にも言わず泣き笑い
※藪入りで家に帰って来たが、奉公は楽しい思い出より辛く苦しいことばかり、話せば親を悲しませると思ので何も言わずに泣き笑いするばかり…、というような意味。
◎鰻とは違う穴子らしさとは?
「穴子は、鰻ほどの脂ぎったところはなくあっさりしている。また川ではなく海に棲息する。」(木暮陶句郎)
★甘辛のどつちも好み穴子寿司 行方克巳
↑木暮陶句郎さんの器。海底のイメージ。
↑陶句郎さんの器に盛った柳原尚之さん(江戸懐石近茶流)の料理。
「穴子は甘い煮汁で作ったものと醤油たれをかけて焼いたものがある。味だけではなく、口の中に入れた時の食感で甘辛の対比を表現しました。また寿司は卯の花で寿司飯をつくり、器の色彩が透けて見える程度に薄く敷いています。穴子に卯の花寿司をつけながらいただくと器の景色が見えてくるようにしました。初夏の滋味と風情を。」(柳原尚之)
◎特選9句
★大将の声は野太し穴子鮨 熊本市 槻木俊彦
★宮島に穴子焼く香や日照(ひでり)雨 広島県府中市 田中孝子
★煤けたる火伏せの護符や穴子飯 愛知県岡崎市 古川晴野
★月光のぬめる穴子をつかみけり 神奈川県鎌倉市 浅木ノヱ
★丹田に締める前垂れ穴子割く 神奈川県横浜市 藤澤迪夫
★恋ごころとうに忘れて穴子食む 群馬県前橋市 池田君子
★(三席)播州の漢に惚れて焼き穴子 東京都国分寺市 伊藤和子
★(二席)穴子釣る娘を嫁に出す人と 愛媛県西条市 岡部正彦
★(一席)穴子鍋悪い奴ほどよく眠る 長野県松川町 鋤柄郁夫
特選句及び佳作は「NHK俳句テキスト」7月号に掲載されます。次回の木暮陶句郎さんへの投稿は↓
◎クロイワの「俳句やろうぜ」
帯谷さんのモットーは一つのものをじっくり見つめること。そして村上鞆彦さんからは「写実、俳句の奥の深み深み、が大切だ」と教わった、と。
★人形の黒髪固し冬座敷 帯谷到子
「ものをよく見る観察力、自分の心に残るものだけを残してそれに季語をつける。」(帯谷到子)
「一人でトレーニングする力がある。今後楽しみ。」(黒岩徳将)
◎林家たい平さんの俳句
★焼台の穴子プクリと香を放つ 林家たい平
※「焼台の穴子プクリと香を放ち」にしたい。(木暮陶句郎さん)
◎再放送は、5/22(水)午後2:20〜2:45。