5/18NHKラジオ文芸選評(俳句)。兼題「バナナ」、選者は榮猿丸さん。
【榮猿丸さん】1968年東京都生まれ。國學院大学在学中『國大俳句』復刊に誘われ俳句と出会う。2000年澤俳句会(小澤實)入会、2002年編集部加入。2004年澤新人賞、2010年澤特別作品賞。2014年、第一句集『点滅』で第5回田中裕明賞受賞。2009年より青山茂根、中村安伸とともにウェブ俳句同人誌『haiku&me』を開始。また同年代の俳人関悦史、鴇田智哉と俳句ユニットSSTを結成し、合作による実験作を発表するなどしている。今日紹介された榮猿丸さんの俳句↓
★冬銀河燐寸擦る指嗅げば甘し
★帰りたくなし家の春灯消ゆるまで
◎入選作品
★バナナ持つ手の甲を皮流れ落ち(島根県 風日=ふうか=さん)
★星の夜の豊かに斑入るバナナかな(大阪府 島田和子さん 56)
↑ 榮猿丸さんイチオシ作品。
★バナナしか戦地の事は言わぬ祖父(島根県 GONZAさん)
★胎動や給湯室にバナナ食ぶ(埼玉県 山口良子さん 65)
★バナナ食ふ初出勤の駐車場(愛媛県 星月彩也華さん)
★バナナの香満つる帰宅のワンルーム(神奈川県 金丸知子さん 73)
★チャップリン今日もバナナの皮を踏む(北海道 朱雨さん 52)
★空はいちまい海もいちまいバナナ食ぶ(長野県 木原 登さん 83)
★年金暮らしバナナ即冷凍す(大阪府 中村眞喜男さん 72)
★吊るしたるバナナに声を掛けて寝る(千葉県 ぽっぽさん 61)
★バナナ喰む下界を望む岩に坐し(オーストラリア 紗羅ささら 65)
※石井かおるさん選。
★バナナ食べ寿司屋の話する長女(千葉県 鈴木卯ノ花さん 42)
★食べ終へてバナナの皮のずつしりと(埼玉県 ふっこちゃんさん 58)
★グレンミラーでスウィングしたきバナナかな(長崎県 相川正敏さん 67)
★風呂沸いて稚児の首からバナナの香(神奈川県 全美さん)
★朝食がバナナの夫と離婚の日(埼玉県 藤井 春さん 36)
※石井かおるさん選。
★反対の意見が大事バナナ剥く(愛知県 神谷 優さん 59)
◎来週25日は短歌、テーマは「飽きる」、選者は永井祐さん。締め切りは20日(月)午後11時59分。