5/17山梨新報「しんぽう文芸」山梨の句友、田辺義樹さん報。
◎柳壇 坂田よし江選
★普段着の言葉が温い祖母の笑み 市川三郷 一瀬文男
★酒を褒め桜を褒めて花見句座 甲斐 松田健嗣
★胸を張りきっと解ってもらえる日 甲府 風間なごみ
【評より】自信を持ち真っ直ぐ生きる日々、きっと通じあえる日が来ます。
★永田町そこは日本と別の国 埼玉 伊藤一男
★墓参り遠くの地から手を合わせ 東京 久宗明子
★何植えよ迷う事にも喜びが 富士吉田 田辺義樹
★倒壊の家で主持つ秋田犬 甲州 水上優子
◎歌壇 祢津達子選
★たんぽぽの「ぽぽ」に生き次ぐ意志あるや一気に伸びる絮飛ばさんと 甲斐 松田健嗣
★暇あれば庭をうろうろ見てまわりよろけて踏んだ百合芽に「ごめん」 中央 鈴木節子
★沈丁花香り流れて春を知る小さな花の大きな力 富士吉田 中村 蓮
★遠き日にわれを見送りくれし母の侘びしげだった割烹着の白 富士吉田 樹 俊平
★紫陽花の粒々蕾出揃って聞こえ来るような雨を待つ声 甲府 丸山洋子
★人生の長さに合わせ思い出があるからいいね生きているって 富士吉田 田辺義樹
★「おはよう」と笑顔で通る中学生ダブダブ制服はにかみながら 甲府 中澤栄使
★病院の急な呼び出しに落ちつきて出掛ける夫我は見送る 埼玉 所 富子
★頑張れの言葉が辛いの被災者等うつ向きながら小さき声で 神奈川 望月真佐夫
★白鼻心鹿に荒らされる山の畑稲をめぐらせ馬鈴薯をまく 大月 山田令子
◎俳壇 山田省吾選
★迸る堰の田水や夏来たる 大月 志村忠義
★さはさはと樹海抜け来し若葉風 富士吉田 青柳時子
★橋渡る列車の響く緑の夜 大月 小俣義人
★水筒に麦茶つぐ音新学期 市川三郷 片田佐恵子
★初夏の旅大間まぐろの大漁旗 甲府 村松幸治
★母の日や子に誘はるるバーベキュー 甲州 水上優子
★晩学の学舎の窓や濃山吹 甲府 伊藤隆雄
★古刹句座沈思黙考竹落葉 甲斐 松田健嗣
★母の日や遺影が何か言いたげな 甲府 遠藤武文
★富士の山裾騒めかす青嵐 富士吉田 樹 俊平
★夕風や牡丹敢えなく散り去りぬ 甲府 桑原博子
★五月来る小屋の空気の入れ替へす 上野原 佐竹俊明