第18回角川全国俳句大賞入賞作品
俳句の先輩から、第18回角川全国俳句大賞の入賞作品が載っている「俳句」5月号(角川)を貸してもらいました。
【大賞】
★黙禱に眼鏡をはづす蝉時雨 大阪府 千坂希妙
※宮坂静生特選、井上弘美・片山由美子・対馬康子・西村和子・正木ゆう子・三村純也秀逸
【準賞】(3句)
★雪捨つる川に雪降る津軽かな 青森県 笹原郁子
※岩岡中正・片山由美子・西村和子特選、対馬康子秀逸
★抱擁をほどけばとめどなく落花 福岡県 藤尾裕子
※岩岡中正・正木ゆう子特選
★蟇邪馬台国を知つてさう 埼玉県 荒川清司
※対馬康子特選、伊藤伊那男・正木ゆう子・三村純也秀逸
【角川文化振興財団賞】
★虫時雨ふたり暮しをしづかにす 山口県 曽我欣行
※片山由美子・高野ムツオ・正木優子秀逸
【『俳句』編集部賞】
★靴箱の上の花束卒業す 岐阜県 森 瑞穂
※宮坂静生特選、片山由美子・三村純也秀逸
【大賞】
★月光を入れて一人の守衛室 千葉県 坂本 徹
※岩岡中正・西村和子特選、宮坂静生秀逸
【準賞】
★玉虫の飛鳥へ繋ぐ光かな 東京都 平松枝里子
※伊藤伊那男・井上弘美特選
【角川文化振興財団賞】
★新米の炊きあがりたる光かな 山口県 三野公子
※片山由美子・三村純也秀逸
【『俳句』編集部賞】
★行く秋や蛍光灯の喫茶店 東京都 野尻正雄
※正木ゆう子特選
◎特別賞(自由、題詠)
【審査委員会特別賞】(3句)
★(株式会社ビクセン提供)盆波や手に砕き割る島豆腐 愛媛県 長野さえみ
※伊藤伊那男特選、高野ムツオ秀逸
★(深井醤油株式会社提供)お降りや屋根美しき善光寺 長野県 木原 登
※岩岡中正・西村和子秀逸
★(株式会社ヤマト屋提供)雲の峰崩るる音のなかりけり 佐賀県 杵島 徹
※片山由美子・高野ムツオ・西村和子・宮坂静生秀逸
【ことぶき賞】(ことぶき賞は選考委員の選に入選した方の中から、90歳以上の方に贈られます)
★海の家コップにもある水平線 新潟県 今井勝人
※伊藤伊那男特選
【WEB賞】(WEB賞はインターネットからご投稿いただいた作品を対象に贈られます)
★ほの温き土間の藍甕初蝶来 福島県 宗像眞知子
※井上弘美特選、宮坂静生秀逸
◎各選者さんの選(特選、秀逸)も全句掲載されていました。長崎県からも、当地の牛飼瑞栄さんをはじめ5名が入選されていました。
★火達磨となりて滅する星涼し 牛飼瑞栄
※(自由題)高野ムツオ特選、正木ゆう子秀逸
★百条の光となれる氷柱かな 牛飼瑞栄
※(題詠)伊藤伊那男秀逸
★投げられてもらふ拍手や草相撲 出田量子
※(自由題)西村和子特選、岩岡中正・三村純也・三村純也秀逸
★遠泳の光となりて上り来る 出田量子 長崎県賞
★不可思議な光と寄ればきせる草 七島まき子
※(題詠)正木ゆう子特選
★蓮根掘り蓮根背にして憩いけり 竹下苔石
※(自由題)宮坂静生特選
★翡翠は光の礫被爆川 永福倫子
※(題詠)高野ムツオ秀逸
※「火達磨と〜」と「投げられて〜」は、選数は多かった(特に「投げられて〜」)のですが入賞にならず残念だったですね。
※この大会、実は残念ながらしばらく休止になるという記事が載っていました。(理由については書いてありませんでした)。
※全投句数、自由題6144句、題詠2263句。
※大会以外についても、知っている方が数名、俳句を寄稿されていますので読みながら後日、記録しておきたいと思います。