5/12NHK短歌。テーマ「家族」。選者は俵万智さん、ゲストは俳優の玉置玲央さん、司会はヒコロヒーさん。

今回は、大河ドラマとのコラボ第2弾「光る愛の歌」。ゲストの玉置玲央さんは藤原道長の兄・道兼を演じた。

◎入選作品

★娘待つ駅へと向かう遅い夜無口な父型ロボットとなり 福岡県北九州市 榊原葉二

★母ほどに母にはなれず娘ほど娘でもなく芋を煮るなり 福岡県福岡市 横縞

 ↑特選ニ席。

★台紙ごと姉と一緒に嫁ぎゆきヤマザキじゃないパンを買う春 滋賀県高島市 くらたか湖春

★晩ごはん妻にかわって用意して妻の席から家族ながめる 愛知県稲沢市 山田真人

 ↑特選三席。

★祖父の世話する子をよい子と褒めた日よヤングケアラーの言葉なき頃 福井県福井市 髙嶋和子

★守られていた実感はないままに家のかたちの貯金箱割る 石川県金沢市 高原すいか

★冷凍は永遠とする母の目を盗み掘り出す何かの化石 新潟県長岡市 三月とあ

★あの傘は父さんが差していったから十年たっても見つからないね 東京都練馬区 藤田結子

    ↑特選一席。

★そういえば喪服の場所もわからない教えてくれる君がいないと 北海道幕別町 松村智裕

入選歌及び佳作は「NHK短歌テキスト」7月号に掲載されます。次回俵万智さんへの投稿は↓

◎「光る君へ」で短歌を10倍楽しもう。

当時は家族の継続が全て。その中において女性は…。

★人の親の心は闇にあらねども子を思ふ道にまどひぬるかな 後撰和歌集 雑一 1102番 藤原兼輔(877-933)

(俵万智訳:子を思う親の心というものは闇にさまよう迷子のごとし)


    ※藤原兼輔は紫式部の曽祖父。

★これもまた家族のかたち灰色の下着が二枚並ぶベランダ 小佐野 彈「メタリック」

    ↑現代の家族観から詠まれた短歌。

★生きていく場所は違えど魂はなんだかんだで繋がっている 玉置玲央
◎ことばのバトン
   ↓引き継ぐのは同志社大学短歌会の三々凪四葩(さざなぎよひら)さん