句友、宮本巧さんと由美子さんの句集「良き世」が出来ました。
宮本巧さん由美子さんご夫妻は、「母港」(西山常好主宰逝去に伴い終刊)時代からの句友。巧さんは残念ながら、令和2年1月ご逝去。
この句集は巧さんの墓前に捧げるために由美子さんがかねてより計画されていたもので、ようやく発行の運びになったものです。
「あとがき」に次のようにあります。
夫の宮本巧は、昭和28年1月19日、長崎県松浦市鷹島町に生を受け、令和2年1月28日、透析中に、家族や病院の職員の方々に見守られながら永眠いたしました。巧は若い頃より腎臓病を患い、二千回あまりの透析を乗り越えてきまし た。その間いくども生死の境をさまよいました。67歳の若い死でした。
夫の句を詠み返していますと、これらの句を詠んでいた時の生前の姿が浮かんでまいります。この句集を夫の生きた証として皆さまに手に取っていただけましたら、妻としてこれに勝る喜びはございません。生前巧がお世話になった皆さまにはこの紙面を借りまして厚くお礼申しあげます。
また、句集の出版に際しましては、「書肆みやま」の鴛渕和明様、TMKプリント様には大変お世話になり感謝いたします。(令和六年五月吉日 宮本由美子)
またご夫妻の略歴は以下のように書かれてありました。
巧は昭和28年1月、(現)松浦市鷹島町に生まれ育つ。由美子は昭和28年1月、佐世保市に生まれ育つ。
由美子は40代半ばより、西日本新聞に投句を始める。50歳の時、寿司店で出会い、5年後に結婚。結婚を機に、巧も俳句を始め、投句する。 母港佐世保句会に入会し、二人して通う。由美子は現在、港佐世保句会に所属。
驚きましたね。生年月が全くご夫妻が同じだったとは。これも一つの縁なのでしょうね。
また、略歴にある通りいつも句会にはご夫婦ご一緒、席も隣同士、そして不思議と選句がほぼ同じ、実に微笑ましい光景でした。
句集の構成は、前半が巧さんの「透析を生きる」と題した46句。