5/5NHK短歌。年間テーマは「“私”に出会おう〜2年目の飛躍〜」。今日のテーマは「オノマトペを入れる」。選者は川野里子さん、レギュラーは内藤秀一郎さん、深尾あむさん、司会はヒコロヒーさん。


◎「飛躍の扉」。オノマトペの例 ↓

★鯉のぼりほうとふくらみくたと降るこの緩慢なる力見よとぞ  川野里子『五月の王』

★打楽器はごんぼごんぼと闇を打ちアフリカの月膨張しはじむ  永井陽子『ふしぎな楽器」

「いいオノマトペは、風景、雰囲気、人の気持ちを表現するのに大きな効果を発揮する」(川野里子さん)


◎入選6首

★城門をズドーンズドーンと閉めていく笑顔のままで独りになりたい  福岡県北九州市 河口 真

★ぶんぶんと自分のことを振り回すどっちが未来かわからないほど  兵庫県西宮市 中森菜穂子

    ↑ 深尾あむさんのキラリポイント「自分のことを振り回す」。

★すうーっと透けることなどなく逝きし祖母の重さにシーツは沈む  大阪府豊中市 葉村 直

★前世は獣か母はわが腕をガシッと掴み厠へ歩く 富山県射水市 浦上紀子

    ↑ 内藤秀一郎さんのキラリポイント「獣か母は」。

    ※「このお母さんは88歳だそうです」(ヒコロヒーさん)

★ギイイーッと正倉院の扉あき千年前の何かが動く  神奈川県横浜市 呰上洋子

★約束の地へと駆け出す前に寄る「たられば」と鳴るファミリーマート  福島県郡山市 やまぐちわたる

    ↑ 特選一席。


入選作品及び佳作は「NHK短歌テキスト」7月号に掲載されます。次回、川野里子さんへの投稿は ↓

◎「秀一郎、あむの飛躍のカギ」

★□□□□□金平糖を踏むような会話の□□□□□□□□□□

    ↓ 四角の中を考えてみる

じゃりがじゃり金平糖を踏むような会話のがじゃりじゃりがじゃり  ヒコロヒー

カリカリと金平糖を踏むような会話のカリカリとカリカリと  内藤秀一郎

でこぼこの金平糖を踏むような会話のでこぼこでこぼこん  深尾あむ

原歌は ↓

ざらりおん金平糖を踏むような会話のざらりおん、ざらり、おん  田丸まひる『ピース降る』

◎「秀一郎、あむのオノマトペ実践」

★あれ程に待ちわびていた開花でもひとたび咲けば心ヒリヒリ  深尾あむ

    ※「開花」とは何の開花でしょう?たぶん「桜」だと思いますが。「心ヒリヒリ」とは?

    ↓(添削)

★ひとたび咲けば心ヒリヒリあれ程に待ちわびていた開花でも

    ↓(さらに)

★ひとたび咲けば心ヒリヒリあれ程に待ちわびていた桜が咲いて

★フワフワと東京にも雪が降る僕も無理矢理はしゃいでみる  内藤秀一郎

    ↓(添削。まず字足らずを調整)

★フワフワと東京に淡い雪が降る僕も無理矢理はしゃいでみるか

    ↓(さらに)

★キラキラと東京に淡い雪が降る僕も無理矢理はしゃいでみるか

    ※最後のところ、「が」のようでしたが、私は「か」と記録しています。


◎「ことばのバトン」

    ↓引き継ぐのは、同じ大学(東京農工大農学部)の短歌会のメンバー、枯芝さん。枯芝さんは稲の研究者。
◎再放送は、5/9(木)午後2:10~2:35。