4/14NHK俳句。題「クローバー」。選者は西山睦さん、ゲストは蜜蜂研究家・芳山遊さん。
★あいさつの声「ぶん」と来る春日向 西山 睦
※《「ぶん」と来る》のは蜂。手は芳山さんの「やさしい手」。
◎芳山さんの「蜂三選」↓
★(親)指に来てばるんばるんの蜂の尻 芳山 遊
★(子)若蜂のまだ濡れてゐる翅音かな 芳山 遊
★(死)死してなほ脈打つ蜂の毒の針 芳山 遊
※蜜蜂の針は刺されるとなかなか抜けませんが、その針は実はまだ生きていて脈打っているそうです。驚きですね。
その他、芳山さんの蜂の俳句がたくさん紹介されました↓
★分蜂の空に翅音の渦巻ける
★蜂を踏む蜂にも蜂と蜂と蜂
★ふくふくと水呑む蜂の前のめり
★花粉より花粉まみれの蜂の貌
★山茶花を揺らして蜂の尻ゆたか
★女王蜂腹をぽるんと横たはる
★みつばちとゐて芳しき山遊び
★蜂の巣の殊にかしまし雄の留守
★初蝶や蜂の水場に分かち合ふ
★複眼に億の太陽風光る
★ナンバーに38並ぶ梅雨の車庫
★ねらねらと蜜移し合ふ蜂の舌
★長き夜に耽るファーブル昆虫記
★ミツバチと枯野のアリとキリギリス
★身に入むやマヌカハニーの値段見て
★ひと匙に蜂のひと世を垂らしけり
◎特選9句 題「クローバー」(※クローバーの蜜はかなり上質なんだそうです)
★クローバー笑ひ上戸の風と逢ふ 山口県下関市 福永浩隆
★亡き妹(いも)の真白き日記にクローバー 兵庫県神戸市 神長誉夫
★クローバー幼なじみを娶りけり 兵庫県神戸市 田上勝清
★靴ぬいで上がる白詰草の部屋 三重県松阪市 七瀬ゆきこ
★クローバのひかり戴帽式の朝 神奈川県横浜市 花瀬 玲
★婚の荷に対の長靴苜蓿 栃木県日光市 橋田雄一
★(三席)クローバはサン・テグジュペリ閉じし中 大阪府茨木市 藤井晶子
★(ニ席)クローバー明るし新しきバッシュ 長野県松本市 古瀬まさあき
★(一席)クローバや蹠(あうら)の濁り置いてゆく 兵庫県西宮市 平本雅子
特選句および佳作は「NHK俳句テキスト」6月号に掲載されます。次回、西山睦さんへの投稿は↓
◎「クイサワ」今回、黒岩徳将(とくまさ)さんが「ネクストブレイク俳人」として紹介したのは、大阪から愛媛県松野町に移住し茶畑を手がけながら 「芝不器男」の魅力を発信しているという川嶋健佑さん(俳号・川嶋ばんだ)。