4/14NHK短歌。題「手紙」、選者は俵万智さん、ゲストは財前直見さん、司会はヒコロヒーさん。

財前さんは、大河ドラマ「光る君へ」で藤原道綱の母を演じました。藤原道綱の母は「蜻蛉日記」の作者。そしてNHK短歌第2週のは、「光る君へ」とのコラボ、「光る愛の歌」をテーマとしてスタート。↓は藤原道綱の母の和歌

★嘆きつつひとり寝る夜の明くる間はいかに久しきものとかは知る  右大将道網母


◎入選9首

★転居先不明の赤いスタンプが受け取りたかった返事だたぶん 和歌山県和歌山市 増田匡裕

        ↑特選一席。

★便箋の最終行の渋滞は君に会いたい気持ちの密度 愛知県名古屋市 遠藤 翠

★飛行船のごとき円で「欠席」を囲み二人の未来を祈る 愛知県 さくさくら

★剥き出しの便箋闇に放り込む気がした最初のメール送信 岐阜県可児市 前川泰信

★「家を売ることにしました !」父のその文面の軽さが重すぎる 神奈川県相模原市 遠藤健人

        ↑特選三席。

★大ぶりの鰯の腹を指で裂くように開いた通知の封書 神奈川県横浜市 友常甘酢

★便箋が手紙に変わる瞬間を見届けているカフェの照明 神奈川県横浜市 檜澤さくら

★達筆を誇りし友の賀状の「賀」杖つくごとく傾ぐ今年は 神奈川県横浜市 松丸伸子

        ↑特選二席。

★入刀のナイフで二人を斬るように「出席」を消す返信ハガキ 埼玉県 くぼたむすぶ

入選歌及び佳作は「NHK短歌テキスト」6月号に掲載されます。募集中の俵万智さんへの投稿↓

◎『光る君へ』で短歌を10倍楽しもう !

テレビでは道長がまひろに手紙(和歌)を書くシーン、まひろが受け取るシーンやその手紙(和歌)を読むシーンが放映されました。その和歌↓

★ちはやぶる神の斎垣(いがき)も越えぬべし恋しき人のみまく欲しさに

(俵万智さんの訳)神にさえ止められぬのはこの心 ただただ恋しい君にあいたい)


〈「光る君へ」から学ぶ短歌づくりのポイント〉

・受け取り手の“目”を持つ(読む人ののことを考える。読む人に伝わらないといけない)

・伝えたい自分の思いはぶれないように “自分軸”を持つ


俵万智さんの「会いたい」の短歌↓

★金曜の六時に君と会うために始まっている月曜の朝  俵万智「サラダ記念日」

    ↑高校の教員の時の作だそうです。


◎ことばのバトン

★何度でも「はじめまして」を言いたくて  歌人・枡野浩一引き継ぐのは、日本女子大学短歌部前部長・竹田紗紀子さん(4年生)

文化祭でバトン短歌が大好評だったそうです。

★ひつじ飼い 指笛鳴らす 夢の中 カーテン揺れて 寝坊確定

★しばし眠って春を待ちます

何度でも「はじめまして」を言いたくてしばし眠って春を待ちます

◎再放送は、4月18日(木)午後2:10〜2:35。