4/7NHK俳句 題「石鹸玉」選者は堀田季何さん、レギュラーは庄司浩平さん、MCはの柴田英嗣さん。

堀田季何さんの時の年間テーマ「俳句の凝りをほぐします」。

◎先ずは、庄司さんと柴田さんの今年の意気込みの俳句から。

★彼岸西風高く木伸びろと堀り植える 柴田英嗣

「《木》が要らないようだ。そこが凝り」(堀田)


柴田さんによると、「今年度の選者方の頭文字を入れた」とのことでした。↓

★俳諧の路を歩けし馬の仔や 庄司浩平

「《歩けし》を《歩ける》など、現在形に」(堀田)


◎「これまでボンから半ボン、脱ボンなどを勉強してきたが、《凝りをほぐす》とは、その発想を実際に表現するためのテクニック。」(堀田)

↑は、意味がすぐわかる句。しかし「あ、そうですか」という句。

①おでん煮る母の背中は小さくて

②きらきらと夜の花火が咲いてゐる

③蟬の声やかましいぞイヤホンす

④反戦の誓ひ忘れず春寒し

⑤朝食はバナナ三本テストの日


↑ 「あ、そうですか」よりだいぶ良くなっているが、まだまだ凝りがある。↓


①おでん煮る母の背中は小さくて   →類想

きらきらの花火が咲いてゐる→季語の説明

③蟬の声やかましいイヤホンす    →原因と結果

④反戦の誓ひ忘れず春寒し               →標語

⑤朝食はバナナ三本テストの日        →報告


「①は、内容はいい句だが、あまりにも同様な発想が多すぎる。②は、《花火》以外は全て花火の説明。③同じ蟬の句でも芭蕉の「閑さや岩にしみ入る蟬の声」などをよくよく鑑賞してもらいたい。芭蕉の句は、読者を反応させる句である」(堀田さん)

   (↑どちらが「コリコリ」か?)

    A,いつまでも働き続け蟻の列

    B,はからずもタイヤを廻る蟻の列

  

  「より凝っているのはAで、当たり前のことを言っている。BはAよりは良い。発想の逆転がある。」(堀田さん)

  A,睡蓮を好みしモネや夏夕べ

  

     「この当たり前的な句を、例えば次のようにしたらどうでしょうか?」(堀田さん)

   B,睡蓮なんてみなモネの模倣です

 

       「《模倣です》がかなり説明的だが、発想の逆転がある。」(堀田さん)


    ※この辺、かなり曖昧な記憶によります。私の聴き間違いもあるかも知れませんので、もし違っていたらご指摘下さい。(すえよし)


◎黒岩徳将さんの「俳句やろうぜ!」将来有望な俳人の卵を紹介していました。

★ピッコロのトリル朝顔ふるわせて 阿見果凛

 ※「トリル」は、2音を交互に素早く、トレモロのように演奏すること。

    ※阿見さんの好きな句は↓だそうです。

★飛ぶのは痛い飛ぶのは痛い蝶の羽 夏井いつき

◎特選6句

★石鹸玉われたヒーローいなかった 福岡市 益木うから

★しゃぼん玉割れない神に嫌はれて 大阪府豊中市 葉村 直

★井戸端や母が手で吹く石鹼玉 長野県須坂市  東島雄二

★面接へ行く石鹸玉避(よ)けながら 神奈川県横浜市 塗野尊人

★角ばった世界へ放つ石鹼玉 東京都世田谷区 笑松

★すぐ怒る母の分厚き石鹼玉 福島県郡山市 ひなた和佳

特選句及び佳作は「NHK俳句テキスト」6月号に掲載されます。次回の投稿は↓

◎再放送は、4月10日(水)午後2:20〜2:45。