俳句ポスト365、兼題「余寒」の回の結果(中級者以上)、火曜日「並選」
★磔刑像余寒のナガサキに立つ 入口弘徳
★余寒なお国境沿いの鉄条網 野澤真澄
★公園のオブジェひび割れていて余寒 けーい◯
★「閉店」の紙一枚の余寒かな もふもふ
★七尾湾余寒の波の打ち寄せり 楽花生
★隅っこに追われ余寒の喫煙所 ヒマラヤで平謝り
★酔い醒めを歩く2ｋｍの余寒かな イサク
★罔象女神余寒の水のありがたき まりい@木ノ芽
※罔象女神=みつはのめのかみ。日本神話にある神の名。水の女神。
★鈍色の薬缶笛吹く余寒かな る・こんと
★納骨堂一段毎の余寒かな 黄鶺鴒
★十万の鶏埋めてゐる余寒 佐藤茂之
★能登揺れて底の抜けたる余寒かな 杉山駄芭
★プレゼンに控えし小部屋余寒かな 三水
★夜更まで余震の続く余寒かな 森一平
★どつかりと盆地の底の余寒かな 菫久
★抗議する国会前の余寒かな 西村小市
★祖母逝きて部屋を彷徨く(うろつく)余寒かな 藤 えま
★遺影置き喪服脱ぎたる夜の余寒 東原桜空
★海鳴りや余寒を今日も野辺送り 杜乃しずか
★友逝きて棺重たき余寒かな 於大純
★廟所へと歩く余寒の石畳 千の葉
★火葬場の点火釦の余寒かな 聞岳
★古着着る地蔵や被災地の余寒 彩明
★余寒なほ母亡き部屋の振り子時計 いつか
★診察や一日余寒の雨意の雲 片平仙花
★一筆に列す余寒の喪の夜なり 登りびと
★余寒なほ堪へし齢となりにけり 風花まゆみ
★古書店の狭き通路の余寒かな 杉 柳才
★寝返りの夫に手を添ふ余寒かな 中村あつこ
★照明の落ちた舞台の余寒かな 砂楽梨
★うち揃い出棺見送る余寒かな 広島あーやあーや
★余寒の夜父待つ母の背は硬し 原島ちび助
★余寒分け合える相手のいない朝 齋藤鍵子
★余寒なほ歯科の麻酔の頬に垂れ 公木正
★広目天薄目で余寒のこの世見る 森 佳月
★焼山寺余寒の中の杉木立 立町力二
★骨上げの箸のふるえの余寒かな 布村柚子
★棚卸し余寒散らばる書庫ひとり 星詩乃すぴか
★D51や余寒の鉄の黒光り くみくまマフラー
★余寒なほブルーシートの増えゆく地 凪ゆみこ
★余寒なほ居も定まらぬ地震の街 よかわもりお
★余寒の夜母の衣類に名前書く 白薔薇
★使はれぬ応接室にある余寒 高木音弥
★このごろは死亡記事より読む余寒 檜鼻ことは
★犬の名を寝言で呼んで泣く余寒 ＧＯＮＺＡ
★山寺の残る寒さや修行僧 上津 力
★鬼平のやうに余寒をひと睨み 鈴木麗門
★全壊のブルーシートや余寒なお 富山の露玉
★獣らの薄目余寒の森深し 入道まりこ
★蒼白の真珠余寒の父の通夜 中島真珠
※これ以上ブログに入っていきませんので続きはコメント欄に書きました。