3/24NHK短歌。グッとくる瞬間、今回のテーマは「続き」、選者は岡野大嗣さん、ゲストは「10FEET」のボーカル・ギターのTAKUMAさん。司会は尾崎世界観さん

今回は岡野大嗣さんの最終回。岡野さんの「続き」の短歌↓

★あなたとはハウ・アー・ユーで始めたい百年ぶりに会ったとしても  岡野大嗣


◎入選9首

★やりかけのパズルが実家でやりかけのままでいること西日の部屋で  宮城県仙台市 古川 柊

★もうつづきのないのど飴が緑茶の底でひかってヒトカラを出る  栃木県宇都宮市 シラソ

    ↑ 特選一席。

★閉店セール続くファンシーショップ左半身だけ褪せた蛇  栃木県小山市 相内あみ

    ※「ファンシーショップ」=10-20代の若者向けのファンシー(空想、想像、気まぐれ、思いつき)グッズを取り扱う店舗のこと。

★ショッピングモールは駅に直結で祝日をこぼさずに帰れる  埼玉県上尾市 佐藤研哉

★ブランコが空に続いているときに降りない。夏の公園にいて  埼玉県上尾市 ファブリ

★コンベアを流れるパンを眺めてるいまがいちばん永遠らしい  東京都杉並区 ちーちゃん

    ↑ 特選二席。

★かな ? と言えば、だね。と言われる。クリスマス、よいお年をと言って別れた。東京都 今村きき

★続柄に「友」と記してみたかった母を見送る小春日の午後  大阪府和泉市 星田美紀

★白骨をしゃぶる白昼夢の続きキャベツの芯が甘いって知る  山口県宇部市 常田瑛子

    ↑ 特選三席。


入選歌及び佳作は「NHK短歌テキスト」5月号に掲載されます。次回から第4週の選者は枡野浩一さん↓

◎表現者の原点・それぞれの表現  

 

   TAKUMAさんの場合は「コンプレックスではなかったか」と。「いろいろ考えて作ったのが『蜃気楼』のような気がする」と。

★騒いでる子供許さぬ中年よ俺もお前もそうやったんぞ  TAKUMA

★はじめての新幹線に乗るぼくを俺が見ている富士といっしょに  岡野大嗣

★一年が四半世紀のようだった二十五分の夢を見ながら  TAKUMA