3/19読売新聞地域版文芸。

◎短歌 やまなみ

★今日も又記憶のかけら逃げてゆく書きとめておこう吾が誕生日 上田スヤ子

★少女から娘になりし中学生鏡の前でおしゃれを楽しむ 小浦京子


◎短歌 波濤

★渡りゆく四万十川の沈下橋行く手も後ろも山河のみにて 真下市男

★「ビューティフル ! 花のようだ」と娘の夫は日本のお節に目を細めおり 砂田悦子 

★夫逝きて初めて迎える新年に強く生きむと神へぬかずく 甲斐智子

★子どもらの近くへ越すといふ姉とおにぎりを持ち墓参に帰る 森 フジヱ

★断捨離は先づ衣類よと友は言ふ 優柔不断のわれはまた購(か)ふ 下田秀枝


◎俳句 太白

★風強き阿蘇黒々冬野かな 本田常子

★冬ざるる道の蛇行も小諸かな 薗田 桃

★冬蝶やひかりの中を縺れゆく 藤本千代子

★久々の叔母と従妹姉と温め酒 氏田惠子

★平家村一族の墓地花茶垣 吉田志津子

★沈む日の残光仄か冬の雲 久保 恭


◎俳句 高砂句会

★オムレツのふはふは春の光かな 鴨川富子

★金髪と茶髪の会話しゃぼん玉 藤瀨惠美子

★節分の護摩火に托す事一つ 中野教子

★雛あられ膳に添えられ月日知る 上村須美子

★盃に紅を残して雛の客 山野ぽん太

★酢の匂ふ厨の日差し雛祭 梯 レイ子

★「これ何だ」白い苺に児の嗤ふ 大坂春峰

★鳥帰る吾に猫の待つ家のあり 奥村ちか


※昨日が新聞休刊日で、今日読売新聞を買いました。すると地域欄のページに上のグループ作品が載っていました。毎週火曜日にはこのグループ作品のコーナーがあるのだそうです。