3/17NHK俳句 題「春塵」選者は村上鞆彦さん、ゲストは南杏子(作家・医師)さん。

【南 杏子さん1961年徳島県徳島市生まれ。日本女子大学家政学部被服学科卒業後、編集プロダクションや主婦の友社での育児雑誌編集を経て、25歳で結婚。夫の転勤に伴ってイギリスへ転居し、外国での出産を経験。帰国後、乳幼児の病気を取材し記事を執筆した経験などから「もっと知りたい」と一念発起して、33歳、長女が2歳の時に東海大学医学部に学士編入。卒業後、東京都内の大学病院老年内科などで勤務した後、スイスへ転居し、スイス医療福祉互助会顧問医などを務めた。帰国後、都内の終末期医療専門病院に内科医として勤務する。2016年、大学時代に寝たきりの祖父を家で看取った介護体験や医師として多くの死を見届けた体験をもとに終末期医療在宅医療を題材とした『サイレント・ブレス』で小説家としてデビュー。2018年にはモンスターペイシェントを題材に患者と医師の信頼関係を描いた第2作『ディア・ペイシェント』を発表。


村上さんの年間テーマは「人生を詠う」でした。今回は「死、命」がテーマ。例句↓

★死ぬときは箸置くやうに草の花 小川軽舟


◎入選9句 兼題「春塵」

★いつか弾くショパンの楽譜春の塵 福島県郡山市 君島 忍

★春塵やガラスの中の時計店 神奈川県寒川町 石原美枝子


★春塵やサーカスを待つ大空き地 福井県坂井市 西 爽子

★春塵にめがねざる目をこすりけり 京都市 吉田 詳

★春塵を吹き天金の書の目覚む 大阪府東大阪市 岡本 戎

★校庭にガザの春塵降ってきた 兵庫県宝塚市 藤田晋一

★(一席)金粉も混じりてをらむ春の塵 神奈川県横浜市 正谷民夫

★(二席)春塵降る虎の咆哮として降る 埼玉県新座市 伊藤映雪

★(三席)出さぬまま失せし手紙や春の塵 愛知県春日井市 桑原規之

 入選句及び佳作は「NHK俳句テキスト」5月号に掲載されます。次回投稿は↓

◎「ゼロから俳句(最終回)」は、柴田英嗣さん、中西アルノさんが松山伊月庵で挨拶句を発表。

★風光る伊月庵でのたちばなし 柴田英嗣

★道後ロケ肌潤すはみかんかな 柴田英嗣

★戦国の狭間(さま)抜け今年の春一番 青山ネモフィラ

◎「今日マチ子、今日の一句」

★花冷えや母の入所を先延べし 南 杏子

◎再放送は、3月22日(金)午後2:40〜3:05。