長崎新聞郷土文芸欄に掲載された「あわい」欄の記事。2/19。読みやすいようにして活字に興しました。

▼森田昭さんが第3歌集「くちなし 森田昭短歌集Ⅲ」を刊行。

 

 森田昭さんは、1943年生まれ、「六花の会」所属、大村市在住。歌集は、妻、娘、孫を詠んだ160首と、2021年4月〜22年3月に詠んだ140首、計300首を収載。


 家族との懐かしい思い出や温かいやりとりを描写した作品が並ぶ。

★月夜野に妻の手を引き歩む影いつか見たねと二人は笑ふ

★バドミントン占ふごとく羽根が飛ぶ妻はやっぱり吾が好きと出た

★慈しみ育てし娘の嫁ぐ日に時よ止まれと我は思はん

★バイバイと十数回も言ひ合ひて最後は笑ひの孫との電話


 近詠は、自然に向けるまなざしが優しい。

★てんとうむし指の先まで登り来て羽を広げて天道へ飛ぶ

★秋空にわたぐも四個連なりておとぎの国への列車見る如

★昇る朝日沈む夕焼け美の違ひ同じ太陽比する意味なし


 そんな歌が並ぶ中に時世や自らの体調も織り込む。

★耳遠くオリンピックもあまり観ずコロナの夏を部屋に籠もりて


 あとがきでは「短歌とは心の日記である」「生を終えるまで作歌し続けようと思っている」と記し、今後第4集の刊行を目指す。

 問い合わせは森田さん(電0957・55・2663)。


▼日本伝統俳句協会九州支部研修大会の投句募集要項


・5月12日、佐賀県立美術館ホール。

・当季雑詠2句1組で、何組でも可。所定の応募用紙(コピー 可)に必要事項を記入する。

・投句料は、1組につき千円。投句と一緒に小為替を同封。

・締切は、3月15日(当日消印有効)。

・投句先 〒840-0054 佐賀市水ヶ江横小路3の10の19、岸川八重さん方(電0952・26・2824)。


(あわい記事は犬塚泉さん)